大型キハダマグロ狙いの基本的なキャスティング用タックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
大物釣りと言えば「マグロ」を想像する方は多くいるかと思いますが、その強烈な引きの強さで釣り人を魅了しています。クロマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロ,など釣りで狙う事のできるマグロは数種類いますが、キハダマグロは相模湾が有名な釣り場で、首都圏から近い事もあってマグロ釣りのなかでも人気の高いターゲットです。
船のルアーフィッシングは大きく分けて、「ジギング」と「キャスティング」の2つに分かれます。ジギングは、ジグやメタルジグと呼ばれる金属製のルアーを魚のいるタナ(水深)まで沈め、生きているかのように動かし、小魚を捕食している大きな魚を狙う釣りです。キャスティングは、プラスチック製や木製のルアーを投げ、生きているかのように動かし、小魚を捕食している大きな魚を狙う釣りです。
今回はキャスティングで狙う大型のキハダマグロ(約40kg以上)のタックル紹介です。
通常のキハダマグロのキャスティングで使用するリール、ロッド、ラインより一回り大きく太いものを使用します。
釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でキハダマグロの紹介です。
キハダマグロってどんな魚?
大きさ : 2.4m、重量200kgまで成長。相模湾では重量40kg以下のサイズがメイン(時には70kgを超える大物も釣れる)
生息域 : 外洋の表層~中層を遊泳
捕食している生物 : 魚類、甲殻類、頭足類
特徴 : 動体視力が優れている。群れで行動する。木材などの漂着物やイルカに着く習性がある。体やヒレの色が黄色みがかっている。
釣りのシーズン : 一年中(ベストシーズンは7~10月)
狙う水深 : 表層~中層
釣りでの注意点 : 骨が硬い為、強いアワセが必要。寒い時期は脂が乗り、パワーが増す。
旬 : 夏
その他 : 約60cm以下の小型のキハダマグロは「キメジ」と呼ばれ、カツオと混ざり一緒に釣れる
マグロは泳ぐのを止めてしまうと死んでしまいます。理由は自分の意志でエラを動かす事ができない為、口を開けながら泳いで常にエラに海水を流していないと、エラから酸素を取り入れる事ができなくなり、酸欠で窒息死してしまいます。その代わりに、高速で泳げる体型で持久力もあり、瞬間的に時速90km程で泳ぐ個体もいます。
リール
リールの種類
- SW用大型スピニングリール
リールには「ギア比」があり、数値が大きいとリールのハンドル1回転でラインを巻き取れる長さが長くなります。リールにパワーが必要な場合はギア比の小さいリールを、仕掛けを素早く回収し手返しよく釣りをする場合などは、ギア比の高いリールがオススメです。キャスティングではギア比の高いハイギア(巻き取り速度の速い)のリールが向いています。
リールサイズ
- 使用するラインが300m以上巻けるもの(PE6~8号)
- 最大ドラグ力の高いもの(オススメは25kg以上)
- ダイワ : 14000~20000番
- シマノ : 14000~20000番
オススメリール
大型のキハダマグロ狙いの場合、中途半端なリールではキハダマグロの引きに耐えられず壊れてしまう可能性があります。その為、耐久力の高い最大ドラグ力25kg以上のリールがオススメです。
高性能オススメリール
最高性能のスピニングリールです。性能重視の為、価格は高額になってしまいますが、ドラグ性能、ハンドルを回した時の滑らかさなど、様々な面でトップクラスの性能を誇っています。
ロッド(竿)
最適なロッド
- オフショアキャスティングロッド(最大ルアー重量が100~200g程度)
- 1ピース 又は グリップ脱着式の2ピースロッド
長さは7~9フィート(2.1~2.7m)で、乗合船ではアンダーキャスト(下投げ)になる為、7~8フィートのものが扱いやすく、チャーター船などの貸し切りの場合は8フィート以上のものがオススメです。
ルアーロッドの場合、長さはft(フィート)とinch(インチ)で表す事が多く、以下のような計算方法になります。
- 1ft=30.48cm
- 1inch=2.54cm
- 1ft=12inch
- 例 9.6ft=(30.48×9)+(2.54×6)=289.56cm
- 例 7.11ft=(30.48×7)+(2.54×11)=241.3cm
入門用オススメロッド
価格を抑えた、初心者向けのオフショアキャスティングロッドです。
中級クラス オススメロッド
基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。
高性能オススメロッド
高性能ロッドです。性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
ライン(道糸)
素材
- PEライン
号数(太さ)
- 6~8号
長さ
- 300m以上
リーダー
PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダー(ショックリーダー)を使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。
号数(太さ)
- 100~170lb(30~50号)
長さ
- 3~5m
素材
- ナイロン
- フロロカーボン
素材については主にナイロン、フロロカーボンの2種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。
ナイロンリーダーの特徴
- 価格が安い
- 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
- 扱いやすい
- 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
- 感度は劣る
フロロカーボンリーダーの特徴
- 根ズレや擦れに強い
- 透明度が高い
- 伸縮性はナイロンより少ない
- 糸グセが付きやすい為、扱いにくい
PEラインとリーダーの結び方
強度の高いPRノットで結びます。
PRノットの結び方はこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編
リーダーの結び方
太いリーダーを金具へ結ぶ場合、ルアーフィッシングでよく使用されている「クリンチノット」で結んでしまうと、解けやすくなってしまいます。その為、太いリーダーの結び方は「編込み結び」がオススメです。
ルアー
ペンシルやポッパーなどのトップウォーター系やミノーを使用します。
キハダマグロは動体視力が優れている為、ルアーのサイズは捕食しているベイトフィッシュ(ターゲットが捕食している小魚)に合わせます。そしてルアーの強度も必要になる為、貫通ワイヤー使用などの強度が強いものを使用します。
トップウォーター
トップウォーターは、主に水面を狙うルアーです。トップウォーターの中でも、いくつかの種類があり、キハダマグロ狙いでは「ペンシル」「ポッパー」を使用し、大きさは9~20cmを使用します。
これらのルアーは、プラスチック製 又は木製で、素材による違いは以下のような特徴があります。
プラスチック製の特徴
-
-
- 個体差が少ない
- 木製より強度が高い
- 価格が安い
- 見た目がリアル
-
木製の特徴
-
-
- 個体差が大きい為、同じルアーでも動きが異なる場合がある
- 海水に馴染みやすく、動きが良い
- 使用後のメンテナンスは必須(ぬるま湯で洗い、よく乾燥させる)
- 高温多湿の場所での保管NG
- 価格が高い
-
ペンシル
ペンシルは水面を滑るように動かせる事のできるルアーです。ペンシルの中にも、ロッドコントロールで水中へダイブするものもあり、様々なアクションを演出できるルアーです。
シンキングペンシル
その名の通り、ペンシルのシンキング(沈む)タイプのルアーで、ルアーを止めると沈み、リールを巻くと浮き上がります。通常のペンシルより重く飛距離が出せる事が特徴です。
ポッパー
小魚が口を開けたような形のルアーで、ロッドアクションをつける事で水しぶきを上げながら動く事が特徴です。口を大きく開けた大口のものは、飛距離は落ちますが、水しぶきが多くアピールに向いていて、小口のものは、水しぶきは小さいものの空気抵抗が少ない為、飛距離を出す事ができます。
シンキングミノー
水面直下~数mまでの水深を狙う事のできるルアーで、トップウォーターには反応しない場合に有効です。小型でも重量があるものがある為、ベイトフィッシュ(ターゲットが捕食している小魚)が小さい場合にも有効です。
スプリットリング
- サイズ : #9以上(強化スプリットリング)
スプリットリングはルアーフィッシングでは必須のアイテムです。スプリットリングは、ルアーとソリッドリング又はスイベルやフックを接続する為に使用します。
そして、スプリットリングに直接リーダーを結ぶ事はNGです。大物とのやり取り時など、リングの端の角の部分とリーダーが擦れ、切れてしまう可能性があります。
ソリッドリング
- サイズ : #5~7
ソリッドリングは「Oリング」や「溶接リング」とも呼ばれ、スプリットリングと組み合わせて使用し、リーダーはソリッドリングに結びます。ソリッドリングを使用する事でリーダーへのダメージを抑え、ルアーの取替えもやりやすくなります。