キハダマグロの基本的なジギング用ベイトタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
大物釣りと言えば「マグロ」を想像する方は多くいるかと思いますが、その強烈な引きの強さで釣り人を魅了しています。クロマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロ,など釣りで狙う事のできるマグロは数種類いますが、キハダマグロは相模湾が有名な釣り場で、首都圏から近い事もあってマグロ釣りのなかでも人気の高いターゲットです。
船のルアーフィッシングは大きく分けて、「ジギング」と「キャスティング」の2つに分かれます。ジギングは、ジグやメタルジグと呼ばれる金属製のルアーを魚のいるタナ(水深)まで沈め、生きているかのように動かし、小魚を捕食している大きな魚を狙う釣りです。キャスティングは、プラスチック製や木製のルアーを投げ、生きているかのように動かし、小魚を捕食している大きな魚を狙う釣りです。
今回はベイトリールを使用したジギングタックルの紹介です。
扱うには少々慣れが必要で、スピニングリールよりバックラッシュを起こしやすい事が欠点です。スピニングリールは構造上、輪を描くようにラインが放出されますが、ベイトリールは、まっすぐにラインが放出される為、フォール中(ジグを沈めている状態)でのアタリが取りやすく、少ない動作でスプールをフリーにする事ができ、手返しの良い事が特徴です。
釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でキハダマグロの紹介です。
キハダマグロってどんな魚?
キハダマグロは名前の通り、体やヒレの色が黄色みがかっているのが特徴で、大きい個体では重量200kg、大きさ2mを超え、寿命は10年程です。
群れで表層~中層を遊泳し、木材などの漂着物やイルカに着く習性があります。
肉食性で魚類、甲殻類、頭足類を捕食しています。
動体視力が優れている為、ルアーで狙う場合は捕食している魚のサイズに合わせる事が必要になります。
マグロは泳ぐのを止めてしまうと死んでしまう。と言う事は知られていますが、理由は自分の意志でエラを動かす事ができない為、口を開けながら泳いで常にエラに海水を流していないと、エラから酸素を取り入れる事ができなくなり、酸欠で窒息死してしまいます。その代わりに、高速で泳げる体型で持久力もあり、瞬間的に時速90km程で泳ぐ個体もいます。
寒い時期になり脂が乗ると同時にパワーも増します。食べるとクロマグロに比べて脂が少なくあっさりした感じで、ツナ缶の原料にもなっています。
約60cm以下の小型のキハダマグロは「キメジ」と呼ばれ、カツオと混ざり一緒に釣れる事があります。
相模湾では重量40kg以下のサイズがメインになります。(時には70kgを超える大物も釣れます)
リールの選び方
使用するラインが300m以上巻けるジギング用ベイトリールを使用します。
リールには「ギア比」があり、数値が大きいとリールのハンドル1回転でラインを巻き取れる長さが長くなります。ルアーをゆっくり動かす事がメインの場合や、リールにパワーが必要な場合はギア比の小さいリールを、ルアーを素早く回収し手返しよく釣りをする場合などは、ギア比の高いリールがオススメです。
オススメジギング用ベイトリール
キハダマグロが相手では、リールの強度が必要になります。
高性能オススメリール
ジギング用ベイトリールの上位機種。性能重視の為、価格は高額になってしまいますが、ドラグ性能、ハンドルを回した時の滑らかさなど、様々な面でトップクラスの性能を誇っています。
ロッドの選び方
ベイトリール用のオフショアジギングロッドで最大ルアー重量180~500g、スロージギングロッドで最大ルアー重量300~600gのものを使用します。
強度が必要になる為、1ピース 又は グリップ脱着式の2ピースロッドを使用します。
最近の傾向では、スロージギングでの釣果が良い事から、キハダマグロをスロージギングで狙う事が多くなってきています。
ルアーロッドの場合、長さはft(フィート)とinch(インチ)で表す事が多く、以下のような計算方法になります。
- 1ft=30.48cm
- 1inch=2.54cm
- 1ft=12inch
- 例 9.6ft=(30.48×9)+(2.54×6)=289.56cm
- 例 7.11ft=(30.48×7)+(2.54×11)=241.3cm
入門用オススメロッド
価格を抑えた、初心者向けのベイトリール用ジギングロッドです。
中級クラス オススメロッド
基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。
高性能オススメロッド
性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
ラインの選び方
PEラインの4~6号を300m以上リールに巻いて使用します。
ラインは1mごと又は10mごとにマーキングや色分けされているものを使用します。色分けされていないラインは、船長から指示される魚のいるタナ(水深)を正確に狙う事ができません。キャスティング用PEラインでマーキングや色分けが無いものは、この釣りでは不向きです。
リーダーの選び方
PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダー(ショックリーダー)を使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。
60~100lb(18~30号)を4~5mの長さで使用します。
素材については主にナイロン、フロロカーボンの2種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。
ナイロンの特徴
- 価格が安い
- 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
- 扱いやすい
- 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
- 感度は劣る
フロロカーボンの特徴
-
- 根ズレや擦れに強い
- 透明度が高い
- 伸縮性はナイロンより少ない
- 糸グセが付きやすい為、扱いにくい
PEラインとリーダーの結び方
強度の高いPRノットがオススメです。PRノットは専用の道具が必要になる為、道具が無い場合はFGノットなど他の強度の高い結び方で結びます。
FGノット、PRノットの結び方はこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編
リーダーと金具の結び方
太いリーダーを金具へ結ぶ場合、ルアーフィッシングでよく使用されている「クリンチノット」で結んでしまうと、解けやすくなってしまいます。その為、太いリーダーの結び方は「編込み結び」がオススメです。
メタルジグについて
キハダマグロ狙いのジギングでは、主にスロー系のメタルジグを使用します。
重さは100~400gで、水深が浅い場合や潮の流れが緩い場合は軽いジグを使用し、水深が深い場合や潮の流れが速い場合は重いジグを使用します。
カラーは、晴れている日中はシルバー系、ブルー系、グリーン系などのリアルカラーを中心に使用し、朝夕や雨で空が薄暗い場合はピンク系やゴールド系が有効です。
キハダマグロ狙いで高実績のメタルジグ
フック(針)について
リーダー側のフックを「フロントフック」、ジグを魚で例えると尾ビレ側のフックを「リアフック」と言い、イラストのようにスプリットリングを使用して取付けます。
使用するフックは「アシストフック」を使用します。
フロントフック、リアフック共にアシストフックのサイズは#3/0~5/0のものを使用します。
アシストフックには、フックが一つの「シングルフック」と二つの「ダブル(ツイン)フック」があります。キハダマグロ狙いではシングルフックが有効です。
スプリットリングについて
スプリットリングはジギング以外にもルアーフィッシングでは必須のアイテムです。スプリットリングは、ジグとソリッドリング又はスイベルやフックを接続する為に使用します。
そして、スプリットリングに直接リーダーを結ぶ事はNGです。大物とのやり取り時など、リングの端の角の部分とリーダーが擦れ、切れてしまう可能性があります。
サイズは#5~8を使用します。
ソリッドリングについて
ソリッドリングは「Oリング」や「溶接リング」とも呼ばれ、スプリットリングと組み合わせて使用し、リーダーはソリッドリングに結びます。ソリッドリングを使用する事でリーダーへのダメージを抑え、ジグの取替えもやりやすくなります。
サイズは#5~7を使用します。
スイベルについて
スイベルは「サルカン」とも呼ばれ、ルアーフィッシング以外にもエサ釣りでは必須のアイテムです。スイベルを使用する事でジグの動きを最大限に活かせる事ができます。
ジギングでは回転性能を高めた「ボールベアリングスイベル」を主に使用します。
サイズは#5~7を使用します。