スルメイカ釣りの基本的なタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
干物でお馴染みの「スルメイカ」
アオリイカやコウイカなどに比べると、沖合の深いポイントでの釣りがメインになりますが、活性が高い場合、数が釣れるのが特徴です。スルメイカ釣りは水深100m以上の深さを狙う場合もある為、電動リールが不可欠で、他の船釣りより やや重装備になり、敷居が高いイメージがあります。しかし、レンタルタックルを完備している船宿も多く、電動リールやロッドなどのタックルを持っていなくても、スルメイカ釣りを楽しむ事ができます。
そして、スルメイカの魅力は、イカ刺し、船の上で沖干し、肝を生かした炒め物や塩辛など、色々な食べ方で美味しく頂くことができます。
釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でスルメイカの紹介です。
スルメイカってどんなイカ?
大きさ
- 胴体部が30cm程にまで成長
生息域
- 水深80~150m程の岩礁混じりの砂地を回遊
捕食している生物
- 小魚
- 動物プランクトン
特徴
- 寿命は1年
- 雌(メス)より雄(オス)の方が大きくなる
- 釣り上げた直後など、興奮すると赤褐色になる
- サイズが小さいものは「ムギイカ」と呼ばれ、堤防などでも釣れる
- 海底付近から比較的浅いエリアまで活発的に広範囲を泳ぎ回る
- 獰猛な性格
- 昼間は比較的深場にいて、夜になると浅い場所へ移動してくる
- ヤリイカに比べ、泳ぐ力が強くアタリがわかりやすい
釣りでの注意点
- プラヅノ(イカヅノ)に墨が付いていたら、必ず落とす
- イカが掛かったらラインを たるませない(特に直結仕掛けでは要注意)
- サバが掛かったら、出来るだけ早く船に取り込む(オマツリする為)
釣りのシーズン
- 一年中釣れる
- ベストシーズンは5~9月
狙う水深
- 日中は底付近~中層
- 夜は底~表層(イカの活性が高ければ表層)
産卵期
日本周辺では、生まれた時期により3つの系統群が存在
- 9~11月(日本海側に多い)
- 12~3月(太平洋側に多い)
- 4~8月(少ない)
旬
- 特になし(1年中)
食べる場合の注意点
アニサキスがいる可能性あり。アニサキスは魚の内臓に潜んでいて、魚が死ぬと身の方へ移動する。アニサキスは3℃を超えると動き始める性質がある為、釣った魚をよく冷やす事が重要。アニサキスは酢、塩、醤油、わさびなどの調味料では死なない為、注意が必要。
リール
リールの種類
- 中型電動リール
タックルを持って誘いをかけ続ける為、小さく軽いものが向いています。
スルメイカは泳ぐ力が強い為、電動リールはパワーのあるものがオススメです。非力な電動リールでは多点掛けで巻き上げる場合、イカのパワーに負けてリールが止まってしまう事もあります。
リールサイズ
- 使用する道糸が300m以上巻けるもの(PE3~5号)
- ダイワ : 300~500番
- シマノ : 1000~3000番
入門用オススメリール
価格が抑えられた釣り具大手メーカー(ダイワ)のこの釣りに向いている電動リールです。このサイズは汎用性が高く、他の様々な釣りでも使用する事ができます。
中級クラス オススメ電動リール
初心者向けリールより基本性能が高く、耐久性も上がっている為、少し高性能なリールが欲しい、長くリールを使用したい方などにも向いています。
高性能オススメ電動リール
最高性能の電動リールです。性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グレードの低いリールには無い機能や、パワー、スピードなど様々な面で性能が高くなっています。
バッテリーについて
電動リールを使用する為にはバッテリーが必要になります。バッテリーの種類で電動リールのパワーやスピードが上がる事はご存じでしょうか?
ロッド(竿)
最適なロッド
- 直結仕掛け用ロッド
- ヤリイカロッド
代用可能なロッド
- 中深場ロッド
- ビシアジロッド
汎用ロッド
全長1.5~2.0m程で、8:2~7:3調子、使用するオモリが扱える船用ロッド
入門用オススメロッド
価格が抑えられたスルメイカ釣りに向いている初心者向けロッドです。
直結仕掛け用オススメロッド
直結仕掛け用のイカロッドです。
高性能オススメロッド
性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
ライン(道糸)
素材
- PEライン
号数(太さ)
- 3~5号
長さ
- 300m以上
道糸の先端やスイベルとの結び方などはこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインと金具編
オススメ道糸
とにかく安い道糸を使用したい方にオススメ
安い道糸を使用したいけど、激安な物では心配と言う方にオススメ
最強クラスの耐久性と強度を誇る、高性能PEライン
仕掛け
プラヅノ(イカヅノ)、幹糸、ハリスを使用した仕掛けです。
スルメイカ釣りに慣れていない場合は完成品の仕掛けが便利です。
プラヅノ(イカヅノ)
- 11~14cmを5~15本使用
プラヅノ(イカヅノと言う場合もあり)をイラストのように複数本使用した仕掛けになります。10本以上を扱うには、それなりの経験が必要になる為、スルメイカ釣りに慣れていない人は10本以下をオススメします。
プラヅノのサイズは11cm、14cm、18cmの3種類あり、スルメイカ釣りでは主に14cm、18cmを使用します。
プラヅノを使用した仕掛けの種類は「ブランコ」「直結」と2種類あります。直結で釣れているのにブランコでは釣れないなんて事もあります。スルメイカ釣りに行く場合、仕掛けを両方準備するか、事前に船宿に確認してから準備しましょう。
オモリ
- 120~150号
オモリの重さは、地域や釣り船や時期によって変わりますので、わからない場合は事前に確認しましょう。
夜船も出ている船宿がありますが、夜は狙う水深が浅い為、使用するオモリは100号以下になります。
中オモリ
- 10~30号
中オモリを使用するとイカを船に取り込む際に楽になります。
ヨリトリング
スルメイカ釣りでは同じ仕掛けをしばらく使用していると、水中で仕掛けが回転して糸がヨレてクセがつき、仕掛けの寿命が短くなってしまいます。そこで、この糸ヨレを解消してくれる便利な仕掛けがヨリトリングです。ヨリトリングを使用すると水中で仕掛けが回転しにくくなる為、糸ヨレが減り、仕掛けが長持ちします。
イカヅノ投入器
イカヅノ投入器は筒が数個連結されている道具です。
使用方法は、船の座席の前に筒の出口が上になるように立てて、1つの筒に対して1個ずつプラヅノを入れて使用します。プラヅノ5本仕掛けの場合は、筒の数は最低でも5本が必要になります。イカヅノ投入器を使うことにより、狭い船上でも仕掛けを絡ませることなくスムーズに扱うことができます。
イカヅノ投入器は、多くの釣り船でレンタルをしています。しかし、傷んでいるものが多い場合もあり、程度の良いものを使用したい方は、自分で準備しましょう。
便利グッズ
一発!サバはずし
イカ釣りには天敵が存在します。そいつは「サバ」です。
プラヅノを丸のみしてしまい、針に掛かると暴れてオマツリの原因になってしまいます。船に揚げても、大暴れして仕掛けをグチャグチャにしてしまい、プラヅノを奥まで飲み込まれていると、簡単には外すことができません。
ここで活躍するのが、一発!サバはずしです。この道具を使用することによって、ナイフやペンチを使わずにサバからプラヅノを外すことができます。
イカ活チャ器
釣ったイカを美味しく頂くには、イカを絞めることが必要になります。ナイフで絞めることもできますが、慣れていないと少々難しいと思います。
ここで活躍するのが、イカ活チャ器です。使い方は簡単、イカ活チャ器で胴体とゲソの部分を剥離させるだけです。慣れていなくても数秒でイカを絞めることができます。
釣りのコツ
- 仕掛け投入時、オモリは勢いよく海に向かって放物線を描くように投げる
- スルメイカは活発的に泳ぎ回っている為、広範囲のタナを狙う(船長から指示があります)
- 強めにシャクって誘いをかける
- スルメイカが乗っても(プラヅノに掛かる)しばらくゆっくりリールを巻き多点掛けを狙う
釣りの注意点
- 仕掛け投入直後、投入器にイカヅノが引っ掛かった場合、絶対に のぞき込まない。船の揺れでイカヅノが飛び出てくる可能性あり
- イカヅノが投入器から勢いよく出ている時は体を近づけない
- イカヅノにはカエシが無い為、リール巻上時は道糸をたるませない
- 仕掛けに墨が付いていたらイカに警戒されてしまう為、キレイに取る
周りが釣れているのに、自分だけが釣れない場合の確認ポイント
タナ(狙う水深)
タナ(狙う水深)が間違えていると、あまり釣れません。船長から指示されたタナを狙います。
イカヅノがよく投入器に引っ掛かる
仕掛け投入時、イカヅノが投入器に引っ掛かる場合、オモリを投げる力が弱い可能性があります。オモリは放物線を描くように少し強めに投げて下さい。イカヅノのサイズが大きい程、引っ掛かりやすくなる為、注意が必要です。
誘い方
スルメイカは足がしっかりしているので、強めにシャクってイカヅノを激しく動かしてスルメイカにアピールします。
仕掛け
直結、ブランコの仕掛けの違いで釣果に大きく差が出る事があります。どちらの仕掛けが釣れるのかわからない場合、釣れている人と同じ仕掛けを使用するか、船長に聞いてみましょう。
