スルメイカ釣りの基本的なタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
干物でお馴染みの「スルメイカ」
アオリイカやコウイカなどに比べると、沖合の深いポイントでの釣りがメインになりますが、活性が高い場合、数が釣れるのが特徴です。スルメイカ釣りは水深100m以上の深さを狙う場合もある為、電動リールが不可欠で、他の船釣りより やや重装備になり、敷居が高いイメージがあります。しかし、レンタルタックルを完備している船宿も多く、電動リールやロッドなどのタックルを持っていなくても、スルメイカ釣りを楽しむ事ができます。
そして、スルメイカの魅力は、イカ刺し、船の上で沖干し、肝を生かした炒め物や塩辛など、色々な食べ方で美味しく頂くことができます。
釣果を伸ばす為には、相手を知る事が大事です。と言う事で、スルメイカの紹介です。
スルメイカってどんなイカ?
スルメイカは、海底付近から比較的浅いエリアまで、活発的に広範囲を泳ぎ回っています。雄(オス)が大きく、雌(メス)が小さくて、最大で30cm程(胴体部)まで成長すると言われています。釣り上げた直後など、興奮すると赤褐色になるのも特徴です。
寿命は1年で、産卵期は年に3回あります。9~11月の秋生まれは日本海側に多く、12~3月の冬生まれは太平洋側に多く、4~8月の春、夏生まれは数が少ないようです。この為、関東周辺などでは、夏にスルメイカを狙う釣り船が多いです。サイズが小さいものは「ムギイカ」と呼ばれ、マルイカ釣りでよく混じって釣れることがあります。
リールの選び方
使用する道糸が300m以上巻ける 中型電動リールを使用します。
手持ちスタイルの釣りなので、電動リールは出来るだけ小さく軽いものが良いです。
スルメイカは、ヤリイカより泳ぐ力が強い為、電動リールはパワーのあるものがオススメです。非力な電動リールでは、多点掛けで巻き上げる場合、イカのパワーに負けてリールが止まってしまう事もあります。この場合は、手巻きで巻き上げるしかありません。(かなり疲れます・・・)
オススメリールサイズは・・・
ダイワは300~500番
シマノは1000~3000番
入門用オススメリール
価格を抑えた初心者向け電動リール。このサイズは汎用性が高く、他の釣りでも使用できます。
ステップアップ用オススメリール
ダイワ、シマノの中級機種。価格を抑えた初心者向けより、性能・耐久性も上がっています。
高性能オススメ電動リール
ダイワ、シマノの上位機種。最高のものを使用したいならコレです。性能重視のリールになりますので、価格は高めです。お財布と相談が必要になってしまいます・・・
バッテリーについて
電動リールを使用する為にはバッテリーが必要になります。バッテリーの種類で電動リールのパワーやスピードが上がる事はご存じでしょうか?
ロッドの選び方
ヤリイカロッドや直結仕掛け用イカロッドが扱いやすいですが、中深場ロッドや、ビシアジロッドでも代用は可能です。
汎用の船釣りロッドの場合は、全長1.5~2.0m程で、8:2~7:3調子、使用するオモリが扱えるロッドを使用します。ヤリイカ用の9:1調子でも使用可能です。
入門用オススメロッド
価格を抑えた初心者向け
直結仕掛け用オススメロッド
ダイワ、シマノの直結仕掛け用のイカロッド
高性能オススメロッド
ダイワ、シマノの上位ロッド。性能重視のロッドになりますので、価格は高めです。お財布と相談が必要になってしまいます・・・
道糸の選び方
道糸はPE3~5号を使用します。ナイロンやフロロカーボンの道糸は使用しません。
大型のスルメイカを多点掛けで狙う場合は、PE4号以上の太さをオススメします。
長さは、最低でも300mは必要です。ライントラブルを考慮して400mはリールに巻いておくと安心です。
スルメイカ釣りではオモリが重く、イカもパワーがある為、結び目に大きな負担が掛かります。結び方が甘いと解けたり切れたりしてしまうので、しっかり結びましょう。
オススメは「完全結び」です。
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインと金具編
オススメ道糸
とにかく安い道糸を使用したい方にオススメ
高性能な道糸を使用したい方にオススメです。高密度12ブレイドラインの為、PEライン特有の糸鳴り音が大幅に削減されています。
仕掛け
プラヅノ(イカヅノ)について
プラヅノ(イカヅノと言う場合もあり)と言う疑似餌を最初のイラストのように5~10本位使用してスルメイカを釣ります。10本以上を扱うには、それなりの経験が必要になる為、スルメイカ釣りに慣れていない人は10本以下をオススメします。
このカラフルなものがプラヅノです。
プラヅノはサイズも色々あり、11cm、14cm、18cmがイカ釣りで使用されるサイズですが、スルメイカ釣りでは、主に14、18cmを使用します。
プラヅノを使用した仕掛けの種類は「ブランコ」「直結」と2種類あります。直結で釣れているのに、ブランコに変えたら釣れなくなったなんて事もあります。スルメイカ釣りに行く場合、仕掛けを両方準備するか、事前に船宿に確認してから準備した方がいいかもしれません。
ブランコと直結の違いはこちらへ
オモリについて
オモリは120~150を使用します。
夜船も出ている釣り船がありますが、夜は狙う水深が浅い為、使用するオモリも100号以下になります。
オモリの重さは地域や釣り船や時期ごとに決められているので、わからない場合は事前に確認しましょう。ちなみに、スルメイカ釣りはオマツリが付き物です。一人だけ違うサイズのオモリを使用すると、さらにオマツリの確立を上げてしまうので、気を付けましょう。
中オモリについて
中オモリは、使用するとイカを船に取り込む際に楽になります。サイズは10~30号、ヤリイカほど繊細な釣りでは無いので、クッションゴム付きでも使用可能です。
ヨリトリングについて
スルメイカ釣りでは、同じ仕掛けをしばらく使用していると、水中で仕掛けが回転して糸がヨレて変なクセがついてしまいます。そこで、この糸ヨレを解消してくれる便利な仕掛けがヨリトリングです。ヨリトリングを使用すると、水中で仕掛けが回転しにくくなる為、糸ヨレが減り、仕掛けが長持ちします。
イカヅノ投入器について
スルメイカ釣りでは、イカヅノ投入器が必要になります。イカヅノ投入器は筒が数個連結されている道具です。
使用方法は、船の座席の前に筒の出口が上になるように立てて、1つの筒に対して1個ずつプラヅノを入れて使用します。プラヅノ5本仕掛けの場合は、筒の数は最低でも5本が必要になります。イカヅノ投入器を使うことにより、狭い船上でも仕掛けを絡ませることなくスムーズに扱うことができます。
イカヅノ投入器は、多くの釣り船でレンタルをしています。しかし、傷んでいるものが多い場合もあり、程度の良いものを使用したい方は、自分で準備しましょう。
便利グッズ
一発!サバはずし
イカ釣りには天敵が存在します。そいつは「サバ」です。
プラヅノをを丸のみしてしまい、針に掛かると暴れてオマツリの原因になってしまいます。船に揚げても、大暴れして仕掛けをグチャグチャにしてしまい、プラヅノを奥まで飲み込まれていると、簡単には外すことができません。
ここで活躍するのが、一発!サバはずしです。この道具を使用することによって、ナイフやペンチを使わずに、サバからプラヅノを外すことができます。
イカ活チャ器
釣ったイカを美味しく頂くには、イカを絞めることが必要になります。ナイフで絞めることもできますが、慣れていないと少々難しいと思います。
ここで活躍するのが、イカ活チャ器です。使い方は簡単、イカ活チャ器で胴体とゲソの部分を剥離させるだけです。慣れていなくても数秒でイカを絞めることができます。
釣り方
ヤリイカが海底から10m以内の範囲を狙うのに対して、スルメイカは活発に泳ぎ回っているので、広範囲のタナを狙います。
船長から仕掛け投入の合図が出たら、すぐにオモリを勢いよく海に向かって放物線を描くように投げて、仕掛けを投入します。
仕掛けが投入器から飛び出している時は、危ないので気を付けて下さい。勢いよく飛び出しているプラヅノに手などが触れてしまうと、カッターで切られたような怪我をしてしまいます。
スルメイカ釣りで使用するプラヅノは、14、18cmと長めなので、オモリを投げる勢いが足りないと、投入器の中でプラヅノが引っ掛かってしまいます。もし、投入器の中でプラヅノが引っ掛かってしまったら、船の揺れなどで再び飛び出してくる可能性があるので、投入器をのぞき込むことはしないで、慎重に扱って下さい。
仕掛けが海底に到着したら、勢いよくシャクリ、誘いをかけます。スルメイカは足がしっかりしているので、多少強く引いてもヤリイカやマルイカのように切れる事は少ないです。イカが乗る(プラヅノに掛かる)と重くなりますが、多点掛けを狙う場合は、しばらくの間、ゆっくりリールを巻きます。その後、電動で巻き上げます。要注意なのが、特に直結仕掛けでの たるませ厳禁です。プラヅノは返しが無いので、たるませるとすぐにバレてしまいます。
イカを釣った後はプラヅノを確認し、墨が付いていたらキレイに取りましょう。墨が付いていると、イカに警戒されてしまいます。墨をとる専用のブラシが販売されていますが、使い古した歯ブラシでも十分に使用できます。
最後に
似ているようで結構違う、ヤリイカ釣りについてはこちらへ
直結・ブランコの違いや、仕掛けの作り方、仕掛けの収納方法はこちらへ
その他の釣りも色々紹介していますので、興味がある方はサイトマップもご覧ください。