シイラの基本的なキャスティング用タックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
シイラは船釣りだけではなく、一部の地域では 陸っぱりでも狙う事のできるルアーフィッシングの好ターゲットです。浅い水深を回遊している為、水面を狙うトップウォーター系のルアーにも良く反応し、針に掛かった時の暴れっぷりと引きの強さが魅力の魚です。
キャスティングはルアーを投げる技術が必要になり、乗合船ではアンダーキャスト(下投げ)が基本で飛距離が出しにくい投げ方になる為、初心者には少々難しい釣りになります。
釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でシイラの紹介です。
シイラってどんな魚?
大きさ
- 2m、重量40kgまで成長
生息域
- 沿岸や沖合の表層域を回遊
捕食している生物
- 小魚
- 甲殻類
- イカ類
特徴
- ハワイ諸島では「マヒマヒ」と呼ばれている
- 成魚は主に小魚を捕食
- 水深20mより浅いところを回遊
- 流木などの漂流物の陰に集まる習性がある
- シイラは引きが強く、針に掛かるとジャンプしたり暴れる
- 成長が早い(1年で40cm、2年で70cm、4年で1m以上)
釣りでの注意点
釣り上げた船の上でも力が強く大暴れする為、外しやすく万が一 人に刺さった場合でもダメージを減らせる バーブレスフック(カエシ無し)か、カエシを潰したフックを使用
釣りのシーズン
- 夏~秋
狙う水深
- 表層
産卵期
- 春~夏
旬
- 夏(産卵前)
食べる場合の注意点
体の表面に「腸炎ビブリオ菌」がいる可能性や「表皮粘膜毒」で食中毒の可能性もあります。両方とも真水でよく洗えば対策可能な為、過剰な心配はいりません。
身に「ヒスチジン」の含有量が多い為、常温で放置するなど不適切な温度管理をすると、食中毒の原因になる「ヒスタミン」が生成されてしまいます。ヒスタミンは熱に対して強いので、一度生成されてしまうと分解することはできません。
アニサキスがいる可能性あり。アニサキスは魚の内臓に潜んでいて、魚が死ぬと身の方へ移動する。アニサキスは3℃を超えると動き始める性質がある為、釣った魚をよく冷やす事が重要。アニサキスは酢、塩、醤油、わさびなどの調味料では死なない為、注意が必要。
リールの選び方
使用するラインが200m以上巻けるスピニングリールを使用します。
リールには「ギア比」があり、数値が大きいとリールのハンドル1回転でラインを巻き取れる長さが長くなります。ルアーをゆっくり動かす事がメインの場合や、リールにパワーが必要な場合はギア比の小さいリールを、ルアーを素早く回収し手返しよく釣りをする場合などは、ギア比の高いリールがオススメです。キャスティングではギア比の高いハイギア(巻き取り速度の速い)のリールが向いています。
オススメリールサイズは・・・
ダイワは3000~4000番
シマノは3000~4000番
入門用オススメリール
価格が抑えられた釣り具大手メーカー(ダイワ)のこの釣りに向いているスピニングリールです。多くのスピニングリールのハンドルは、右巻き、左巻きのどちらにも自由に変えられる特徴があります。
中級クラス オススメリール
初心者向けリールより基本性能が高く、耐久性も上がっている為、少し高性能なリールが欲しい、長くリールを使用したい方などにも向いています。
高性能オススメリール
最高性能のスピニングリールです。性能重視の為、価格は高額になってしまいますが、ドラグ性能、ハンドルを回した時の滑らかさなど、様々な面でトップクラスの性能を誇っています。
ロッドの選び方
オフショアキャスティングロッドで、最大ルアー重量40~70g前後のものを使用します。
長さは6~8フィート(1.8~2.4m)で、乗合船ではアンダーキャスト(下投げ)になる為、短めのものが扱いやすく、チャーター船などの貸し切りの場合は長めのものがオススメです。
ルアーロッドの場合、長さはft(フィート)とinch(インチ)で表す事が多く、以下のような計算方法になります。
- 1ft=30.48cm
- 1inch=2.54cm
- 1ft=12inch
- 例 9.6ft=(30.48×9)+(2.54×6)=289.56cm
- 例 7.11ft=(30.48×7)+(2.54×11)=241.3cm
入門用オススメロッド
価格を抑えた、初心者向けのオフショアキャスティングロッドです。
中級クラス オススメロッド
基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。
高性能オススメロッド
高性能ロッドです。性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
ラインの選び方
PEラインの1.5~2号を最低でも200m、できれば300mリールに巻いて使用します。
リーダーの選び方
PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダー(ショックリーダー)を使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。
40~60lb(12~18号)を1~2mの長さで使用します。
素材については主にナイロン、フロロカーボンの2種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。
ナイロンリーダーの特徴
- 価格が安い
- 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
- 扱いやすい
- 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
- 感度は劣る
フロロカーボンリーダーの特徴
- 根ズレや擦れに強い
- 透明度が高い
- 伸縮性はナイロンより少ない
- 糸グセが付きやすい為、扱いにくい
リーダーの結び方
太いリーダーを結ぶ場合、ルアーフィッシングでよく使用されている「クリンチノット」で結んでしまうと、解けやすくなってしまいます。その為、太いリーダーの結び方は「編込み結び」がオススメです。
PEラインとリーダーの結び方は「FGノット」や「PRノット」がオススメです。
FGノット、PRノットの結び方はこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編
ルアーの選び方
ペンシルやポッパーなどのトップウォーター系、ジャークベイトを中心に使用します。ミノー、ジグミノー、メタルジグなどのルアーでも狙う事ができます。
トップウォーターについて
トップウォーターは、主に水面を狙うルアーです。トップウォーターの中でも、いくつかの種類があり、シイラ狙いでは「ペンシル」「ポッパー」を使用し、大きさは10~14cmを中心に使用します。
これらのルアーは、プラスチック製 又は木製で、素材による違いは以下のような特徴があります。
プラスチック製の特徴
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- 個体差が少ない
- 木製より強度が高い
- 価格が安い
- 見た目がリアル
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木製の特徴
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- 個体差が大きい為、同じルアーでも動きが異なる場合がある
- 海水に馴染みやすく、動きが良い
- 使用後のメンテナンスは必須(ぬるま湯で洗い、よく乾燥させる)
- 高温多湿の場所での保管NG
- 価格が高い
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ペンシル
ペンシルは水面を滑るように動かせる事のできるルアーです。ペンシルの中にも、沈む「シンキングペンシル」や、ロッドコントロールで水中へダイブするものもあり、様々なアクションを演出できるルアーです。
ポッパー
小魚が口を開けたような形のルアーで、ロッドアクションをつける事で水しぶきを上げながら動く事が特徴です。口を大きく開けた大口のものは飛距離は落ちますが、水しぶきが多くアピールに向いていて、小口のものは水しぶきは小さいものの空気抵抗が少ない為、飛距離を出す事ができます。
ジャークベイトについて
ロッドを勢いよく手前に振る動きを繰り返す事を「ジャーク」や「ジャーキング」と言い、ジャークでアクションをつけて使用するルアーがジャークベイトになります。
ターゲットの活性が低く遊泳層が深い場合や、トップウォーター系のルアーの反応が鈍い時に向いています。
スプリットリングについて
スプリットリングはルアーフィッシングでは必須のアイテムです。スプリットリングは、ルアーとソリッドリング又はスイベルやフックを接続する為に使用します。
そして、スプリットリングに直接リーダーを結ぶ事はNGです。大物とのやり取り時など、リングの端の角の部分とリーダーが擦れ、切れてしまう可能性があります。
サイズは#5~7を使用します。
ソリッドリングについて
ソリッドリングは「Oリング」や「溶接リング」とも呼ばれ、スプリットリングと組み合わせて使用し、リーダーはソリッドリングに結びます。ソリッドリングを使用する事でリーダーへのダメージを抑え、ルアーの取替えもやりやすくなります。
サイズは#5~7を使用します。
スイベルについて
スイベルは「サルカン」とも呼ばれ、ルアーフィッシング以外にもエサ釣りでは必須のアイテムです。スイベルを使用する事でルアーの動きを最大限に活かせる事ができます。
ルアーフィッシングでは回転性能を高めた「ボールベアリングスイベル」を主に使用します。
サイズは#3~6を使用します。
トップウォーター系のルアーでは、あまり大きなスイベルを使用してしまうと、スイベルの重さでルアーのバランスが崩れ、動きが悪くなってしまう場合がある為、注意が必要です。
