イシナギは日本近海で狙う事のできる最大級の魚です。
岩礁帯の海底付近を狙う為、根掛かりは付き物の釣りで、予備の仕掛けは多めに必要になります。魚のサイズも数十kg、時には100kgを超え、パワーもある為、市販品の中でも最高クラスの強度の仕掛けが必要になります。しかし、完成品の仕掛けは取り扱っている店舗は少なく、大物釣りに力をいれている店舗でなければ、手に入れる事が難しくなっています。
そんなイシナギの仕掛けを自作してみてはいかがでしょうか?
自作の仕掛けの利点はコストを抑えられる事です。作る楽しさもあり、自作の仕掛けで釣れた時の喜びは完成品の仕掛けを使用して釣れた時より大きいと思います。そして、仕掛けを自作できる技術があれば、船の上で傷んだハリスを切って、仕掛けを作り直す事もできるようになる為、一つの仕掛けを長持ちさせる事だってできます。
必要な材料
- ハリス(幹糸で使用) 60~100号
- ハリス 40~80号
- 針 クエ30~40号、泳がせ30~40号
- ボールベアリングサルカン 9~10号
- 親子サルカン 5/0×4/0号、大物用
- 強化チューブ
- ダブルスリーブ(圧着工具も必要)
仕掛けの種類により必要
- ハリス(捨て糸で使用) 10~16号
- スナップ付きサルカン 2~2/0号
- ダブルスナップ 2~2/0号
幹糸、ハリスについて
幹糸に60~100号の大物用ハリスを使用します。
ハリス(親子サルカン~針間)は40~80号の大物用ハリスを使用し、幹糸と同じか細い号数を使用します。
針について
クエ30~40号、泳がせ30~40号を使用します。
ボールベアリングサルカンについて
大物用のサルカンや、ボールベアリングサルカン9~10号を使用します。
親子サルカンについて
親子サルカン5/0×4/0号や、大物用の親子サルカンや泳がせサルカンを使用します。
強化チューブについて
イシナギの強烈な引きにも耐えられるように、ハリスが金属に接している部分を強化チューブを使用して保護し、仕掛けの強度を高めます。
サルカンやハワイアンスナップへ接続する箇所は強度重視のチューブ、針へ使用するものは透明なチューブなど、使い分けて工夫する事もできます。
チューブの種類によっては適合ハリスの号数表記が無く、内径表記のみの物があります。
内径表記のみのチューブを選ぶ時は、下記の「バリバス 大物ハリス」の号数と標準直径を参考にして下さい。
- 30号 : 0.910mm
- 40号 : 1.040mm
- 50号 : 1.170mm
- 60号 : 1.280mm
- 80号 : 1.470mm
- 100号: 1.650mm
ダブルスリーブについて
大物用の太いハリスを使用する場合、安定した強度でハリスと金具を接続する事のできるダブルスリーブを使用します。
ダブルスリーブは、ハリスの太さに合わせたサイズを使用する事が必要で、ダブルスリーブのサイズが小さすぎるとハリスが通らず、大きすぎると圧着してもすっぽ抜けてしまいます。
釣り用のスリーブは使用できるハリスの号数が記載されている為、便利です。
ダブルスリーブを圧着する為には、圧着工具(ハンドプレッサー)が必要になります。
捨て糸について
捨て糸は10~16号のナイロン製かフロロカーボン製のハリスを使用します。
捨て糸を使用しない場合、ダブルスナップを使用してオモリを取付けます。
スナップ付きサルカンについて
捨て糸を使用する場合に使用します。サイズは2~2/0号が目安となりますが、魚が掛かった時に掛かる力は、親子サルカンなどに比べると小さい為、あまり大きなものを使用しなくてもOKです。
ダブルスナップについて
捨て糸を使用しない場合に使用します。サイズは2~2/0号が目安となりますが、魚が掛かった時に掛かる力は、親子サルカンなどに比べると小さい為、あまり大きなものを使用しなくてもOKです。
作ってみよう
材料がそろったら作ってみましょう。
金具とハリスの接続方法
ダブルスリーブ、強化チューブを使用し、圧着工具(ハンドプレッサー)を使用して圧着固定をします。
針とハリスの結び方
強度の高い「南方延縄結び」で結び、針とハリスが擦れる箇所を強化チューブを使用して補強する事によって、強度を高める事ができます。
仕掛けの保管方法
作成した仕掛けを保管する場合、何も考えずにケースに入れてしまったら、糸が絡まって使えなくなってしまう場合があります。専用の仕掛け収納ケースなどを使用すると、糸が絡まることなく作成した仕掛けを収納することができ、船の上でもすぐに使用する事ができます。