船釣りタックル紹介 アカムツ(スロージギング)編

 

アカムツのスロージギングの基本的なタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)

アカムツは別名「のどぐろ」とも呼ばれ、のどぐろの名で知名度が上がってきている魚です。エサ釣りで狙う事が多い魚ですが、ルアーフィッシングで狙う事もできます。水深100mを超える深さに生息している為、ほぼ金属で作られているメタルジグと言うルアーをアカムツがいるタナ(水深)まで沈め、生きているかのように動かして誘いを入れ、興味を示して近づいてきたアカムツを針に引っ掛けるジギングで狙います。

アカムツは底付近に生息し、メタルジグをあまり高い位置まで上げてしまうと、釣る事が難しくなってしまいます。(現地で船長から狙う水深の指示あり)同じ水深を長く狙う事のできる「スロージギング」が向いていて、水深150~300m付近のやや深場を狙う為、中深場スロージギングとも言われています。

エサ釣り船の船首でスロージギングが可能な船宿もあり、中深場スロージギングは、クロムツ、本ムツ、アラ、マハタなどの高級後が釣れる事も特徴になります。

釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でアカムツ(のどぐろ)の紹介です。

 

アカムツ(のどぐろ)ってどんな魚?

40cm前後の大きさになり、水深100~300mの砂底の底付近を回遊しています。

小魚や甲殻類、イカなどを捕食し、産卵期は6~10月で、旬は冬~春の寒い時期です。

魚体はルビーみたいにキレイな赤色なのに対し、口の中は「のどぐろ」の名前の由来にもなっている、喉が黒色なのも大きな特徴の一つです。

アカムツに近い魚で「クロムツ」と言う魚が存在しますが、アカムツとクロムツは色が違うだけで同じ種類の魚のように見えるかもしれませんが、実は学術的分類は違うようです。少々、省略はしていますが、クロムツは「ムツ科」なのに対して、アカムツは「ホタルジャコ科」になります。

 

リールの選び方

使用するラインが500m以上巻けるベイトリール、又は小型電動リールを使用します。

リールには「ギア比」があり、数値が大きいとリールのハンドル1回転でラインを巻き取れる長さが長くなります。リールにパワーが必要な場合はギア比の小さいリールを、ルアーを素早く回収し手返しよく釣りをする場合などは、ギア比の高いリールがオススメです。

中深場スロージギングでは、ラインの放出量が多い為、移動時など素早くメタルジグを回収できるギア比の高いリールが向いていて、一目で水深がわかるカウンター付きリールが便利です。

ポイントが深い場合、300m近くの水深を狙う為、かなりの体力を必要とします。その為、握りやすく力の入れやすいノブのリールが向いていますが、体力に自信が無い場合、小型電動リールを使用すると楽に釣りを楽しむ事ができます。

 

入門用オススメリール

価格が抑えられた中深場スロージギングで使用できるリールです。

 

高性能オススメリール

カウンター付きベイトリールの上位機種。性能重視の為、価格は高額になってしまいますが、ドラグ性能、ハンドルを回した時の滑らかさなど、様々な面でトップクラスの性能を誇っています。

 

オススメ電動リール

中深場スロージギングで使用できる電動リールです。

 

バッテリーについて

電動リールを使用する為にはバッテリーが必要になります。バッテリーの種類で電動リールのパワーやスピードが上がる事はご存じでしょうか?

電動リールの性能UP!? リチウムイオンバッテリーとは?

 

ロッドの選び方

スロージギング用で最大ルアー重量が約250~400gのロッドを使用します。

狙う水深が深く、ロッドを持ている時間が長い為、握りやすいロッドで感度が良いものが向いています。

ルアーロッドの場合、長さはft(フィート)とinch(インチ)で表す事が多く、以下のような計算方法になります。

  • 1ft=30.48cm
  • 1inch=2.54cm
  • 1ft=12inch
  • 例 9.6ft=(30.48×9)+(2.54×6)=289.56cm
  • 例 7.11ft=(30.48×7)+(2.54×11)=241.3cm

 

入門用オススメロッド

価格を抑えた、初心者向けのスロージギングロッドです。

 

中級クラス オススメロッド

初心者向けのロッドより基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。

 

高性能オススメロッド

性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。

 

ラインの選び方

PEラインの1.0~1.5号を500~600mリールに巻いて使用します。

ラインは1mごと又は10mごとにマーキングや色分けされているものを使用します。色分けされていないラインは、船長から指示される魚のいるタナ(水深)を正確に狙う事ができません。キャスティング用PEラインでマーキングや色分けが無いものは、この釣りでは不向きです。(カウンター付きリールや電動リールを使用していれば正確にタナを狙う事はできます)

 

リーダーの選び方

PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダー(ショックリーダー)を使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。

16~22lb(4~6号)を1.5~3mの長さで使用します。

素材については主にナイロン、フロロカーボンの2種類ありますが、海底付近を狙うアカムツのスロージギングでは、根ズレに強いフロロカーボン製を使用します。

ナイロンリーダーの特徴
  • 価格が安い
  • 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
  • 扱いやすい
  • 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
  • 感度は劣る

 

フロロカーボンリーダーの特徴
  • 根ズレや擦れに強い
  • 透明度が高い
  • 伸縮性はナイロンより少ない
  • 糸グセが付きやすい為、扱いにくい

 

PEラインとリーダーの結び方

PEラインを使用したルアーフィッシングではPEラインとリーダーを結ぶ事が必要不可欠です。色々な種類の結び方がありますが、この釣りではFGノットがオススメです。

 

FGノットの結び方はこちらへ

これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編

 

リーダーと金具の結び方

太いリーダーを金具へ結ぶ場合、ルアーフィッシングでよく使用されている「クリンチノット」で結んでしまうと、解けやすくなってしまいます。その為、太いリーダーの結び方は「編込み結び」がオススメです。

 

メタルジグについて

アカムツ狙いで使用するメタルジグは、重さ180~350gを使用します。沈下速度が速く、軽い力でシャクれる引き抵抗の軽いスロー系セミロングタイプが向いています。

光がほとんど届かない水深を狙う為、色はグロー(夜光)を中心に使用します。

 

中深場スロージギングでのアカムツ狙いに特化したタングステン製メタルジグも存在します。

 

フックについて

リーダー側のフックを「フロントフック」、ジグを魚で例えると尾ビレ側のフックを「リアフック」と言い、イラストのようにスプリットリングを使用して取付けます。

使用するフックは、スロージギング用のアシストフックを使用します。

アカムツ狙いでは、フロントフック、リアフック共にスロージギング用アシストフック#2/0~#3/0のダブル(ツイン)又は、チラシ4本針を使用します。

多くのスロージギング用のフックのラインは、中心部にフロロ中芯入りPEラインが使用され、張りがある為、ジャークやフォール中などに針同士が絡むなどのトラブルが起こりにくい作りになっています。

 

スプリットリングについて

スプリットリングはジギング以外にもルアーフィッシングでは必須のアイテムです。スプリットリングは、ジグとソリッドリング又はスイベルやフックを接続する為に使用します。

そして、スプリットリングに直接リーダーを結ぶ事はNGです。大物とのやり取り時など、リングの端の角の部分とリーダーが擦れ、切れてしまう可能性があります。

サイズは#5前後を使用します。

 

ソリッドリングについて

ソリッドリングは「Oリング」や「溶接リング」とも呼ばれ、スプリットリングと組み合わせて使用し、リーダーはソリッドリングに結びます。ソリッドリングを使用する事でリーダーへのダメージを抑え、ジグの取替えもやりやすくなります。

アカムツ狙いのスロージギングは、フォール中のかすかな違和感も感じ取る事が必要な、繊細なジギングになります。その為、青物ジギングなどに比べ小型のソリッドリングが向いています。

サイズは#3~4を使用します。

 

スロージギングのアクションについて

スローピッチジャークが基本となります。

  • スロー → ゆっくり
  • ピッチ → 調子
  • ジャーク → リールの巻く速度

メタルジグを海底まで沈め、青物など他のジギングと同じように、ロッドを鋭くシャクリ上げ、リールを1/4~1/2巻くの繰り返しになります。

フォール中(メタルジグを沈めている時)に興味を示して寄ってくる事が多い為、ラインにテンションをかけた状態でフォールさせる事も効果的です。

 

最後に

エサ釣りで狙うアカムツ釣りはこちらへ

船釣りタックル紹介 アカムツ編

 

船釣りから堤防、砂浜などの陸っぱりまで、様々な釣りのタックルや仕掛け、仕掛けの作成方法を対象魚別に詳細なイラスト付きで紹介しています。

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