千葉県勝山港 萬栄丸の半夜クロムツ釣りのオススメタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
千葉県勝山港の萬栄丸で出船をしている半夜クロムツ釣りは、高級なクロムツの数釣りができる人気の船釣りです。半夜と言うだけあって、夕方に出船し、主に夜釣りでクロムツを狙います。日中は水深が数百mの深場にいるクロムツは、夜になると100m前後の比較的浅い場所までやってきます。そんな浅い場所まで移動してきたクロムツを狙う釣りなので、大型電動リールなど、大掛かりな深海用のタックルは必要ありません。
そして、この釣りの魅力は高級なクロムツの数釣りが可能なところです。
条件が良ければ、40Lのクーラーボックスが満タンになると言った事もあります。そんなクロムツが沢山釣れるだけあって、特に人気の土曜日に予約を取ろうとしても、数週間前から予約をしておかないと、なかなか予約が取れない人気の釣りです。しかし、満員とは言え人数限定なので、隣との間隔も広く快適に釣りをする事ができます。
釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でクロムツの紹介です。
クロムツってどんな魚?
大きいものでは70cm以上にまで成長する肉食魚です。水深200~700m程の岩礁域に生息し、幼魚は沿岸の浅い岩礁域に群れを作って生息しています。成魚は日中、深場にいる深海魚ですが、夜になると水深100m前後まで移動してきます。
歯が鋭い事が特徴で、歯に触れてしまった場合、カッターナイフで切られたような怪我をしてしまう可能性がある為、注意が必要です。
旬は秋~冬、産卵期は3~5月で、ムツは むつっこい(脂っこい)が名前の由来と言われていて、特に旬のクロムツの脂乗りは抜群です。
煮つけ、刺身、焼き、鍋など色々な料理方法で美味しく食べる事のできる魚です。
クロムツに近い魚で「アカムツ」が存在しますが、クロムツとアカムツは色が違うだけで同じ種類の魚のように見えるかもしれませんが、実は学術的分類は違うようです。少々、省略はしていますが、クロムツは「ムツ科」なのに対して、アカムツは「ホタルジャコ科」です。
リールの選び方
使用する道糸が300m以上巻ける、巻上速度の速い中型電動リールを使用します。
巻上速度の速い電動リールが必要な理由は、サメ対策です。水深50mより浅いエリアにサメが針に掛かったクロムツを横取りしようと待ち構えています。このサメにクロムツを横取りされないよう、電動リールの最高速巻きで対応します。巻上速度の遅いリールは、サメにクロムツを横取りされてしまう可能性が高い為、オススメできません。
クロムツは深海魚だからと言って、あまり大きな電動リールもNGです。
オススメ電動リールのサイズは・・・
ダイワは400~500番
シマノは2000~3000番
入門用オススメリール
価格が抑えられた釣り具大手メーカー(ダイワ、シマノ)のこの釣りに向いている電動リール。上位機種に比べ、多少スピードは落ちます。
中級クラス オススメリール
入門用リールより基本性能が高く、スピードや耐久性も上がっている為、少し高性能なリールが欲しい、長くリールを使用したい方などにも向いています。
高性能オススメリール
最高性能の電動リールです。性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グレードの低いリールには無い機能や、パワー、スピードなど様々な面で性能が高くなっています。巻上速度はトップクラスになります。
バッテリーについて
電動リールを使用する為にはバッテリーが必要になります。バッテリーの種類で電動リールのパワーやスピードが上がる事はご存じでしょうか?
リチウムイオンバッテリーは鉛バッテリーに比べ、電動リールの巻上速度が上がります。この釣りでは、巻上速度が速いほど有利になりますので、リチウムイオンバッテリーはオススメです。
リチウムイオンバッテリーと鉛バッテリーについてはこちらへ
道糸の選び方
使用する道糸はPE3~5号です。
最低でも300mはリールに巻いて使用します。
しかし、この釣りにはサメ以外にもジャマ者が存在します。それはスミヤキ(正式和名:クロシビカマス)と言う魚です。スミヤキは鋭い歯で道糸を喰いちぎってしまいます。
スミヤキが高活性の場合、道糸を切られてしまう可能性が高い為、リールに道糸を多めに巻いたり、予備のPEラインを持って行くと安心です。そして、スミヤキに道糸を切られてしまう事を想定すると、高価な道糸はオススメできません。(お金に余裕があれば別ですが)
人によってスミヤキに切られる回数に差がある為、道糸の色や仕様によって影響がかわる可能性があります。
道糸の結び方はこちらへ
オススメ道糸
とにかく安い道糸を使用したい方にオススメなPEラインです。
安い道糸を使用したいけど、激安な物では心配と言う方にオススメです。価格の割には8本組を採用していますので、強度が高く、激安のものに比べて色落ちもそこまで酷くはありません。
このクロムツ釣りで、数種類の道糸を使用しましたが、この道糸はスミヤキの被害は少ないように感じました。
ロッドの選び方
中深場ロッドが扱いやすいですが、アカムツロッド、ヤリイカロッド、ビシアジロッド、青物ロッドでも代用は可能です。
汎用の船釣りロッドの場合は、全長1.5~2.5m程で、8:2~7:3調子、使用するオモリが扱えるロッドを使用します。
クロムツのアタリは明確にわかるので、感度に関してはあまり気にしなくても良さそうです。
ロッド選びで重要なのが、自分が一番扱いやすい長さのものをオススメします。船に魚を引き上げる時にモタモタしていると、せっかく釣り上げてきたクロムツがサメの餌食になってしまうので、扱いやすい長さのロッドを使用し、クロムツがヒットしてからノンストップで一気に船まで引き上げてしまいましょう。
入門用オススメロッド
中深場狙いの釣りは竿への負担も大きいので信頼性の高いメーカーのロッドをオススメします。
中級クラス オススメロッド
初心者向けのロッドより基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。
高性能オススメロッド
性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
仕掛け
胴突き3~5本針の仕掛けを使用します。
幹糸は10号、ハリスは8号でムツ針17号がオススメです。
そして大事なのが、夜行玉など目立つものや光るものは一切使用しないことです。目立つ仕掛けを使用するとサメを寄せてしまいます。
問題は、この釣りで使用する中深場用の完成品の仕掛けを購入すると結構いい値段がします。そして、サメやスミヤキに切られたりダメにされたりする可能性が高いです。日によっては、サメなどに邪魔されない場合もありますが、邪魔が多いときは、仕掛けは2,3個では全然足りません。
仕掛けを沢山買うのはちょっと厳しい・・・と感じていたら仕掛けを自作してみてはいかがでしょうか?
仕掛けの作成はこちらへ
便利グッズ
マグネット仕掛け置き
風が強い日やポイント移動時、風で仕掛けが流され扱いにくい状況になる事があります。
このような状況で活躍するのが、第一精工の「ウルトラマグネット」です。
ウルトラマグネットは磁石で出来ている仕掛け置きで、ロッドホルダーなどに挟み込んで固定します。磁石が比較的強くなっている為、小さな針でもしっかり固定する事ができるので、ポイント移動時や、風が強い日などでも仕掛けが扱いやすくなり、仕掛けが絡まる事も防止できます。
サメ対策
サメ対策で有効なのは、やはり電動リールの巻上速度の速さです。巻上速度を上げる為には、ダブルやトリプルヒットは狙わず1匹ずつ釣ります。魚が2匹や3匹掛かった状態では巻上速度も落ちてしまい、その分サメに魚を横取りされてしまう可能性が高まります。
クロムツが高活性の場合、1本針でも十分に釣る事はできますので、サメの邪魔が多い時に針の数を減らした仕掛けはオススメです。
サメの邪魔がほとんど無い日もある為、スタートから1本針では効率が悪くなってしまいます。仕掛けは釣り場の状況で判断して下さい。
スミヤキ対策
スミヤキ対策で有効なのが、リーダーを使用する事です。
まともにかじられたら切れてしまう可能性はありますが、PEラインよりはスミヤキの歯に対して強いので切れにくくなります。
使用するリーダーは5~8号(20~30lb)を10~30m程使用します。フロロカーボン製のルアー用のショックリーダーや船釣り用のハリスを使用します。
道糸とリーダーの結び方は、ルアー釣りで よく使用されている「FGノット」がオススメです。FGノットは、結ぶのに時間がかかりますが、電車結びなどに比べると結び目が細いという利点があります。結び目が細い為、高速巻上でも結び目がロッドのガイドに引っ掛かる事なく、スムーズに巻き取る事ができます。
道糸とリーダーの結び方はこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編
通常のハリスは100m前後で販売されているものが多いですが、こちらは200mでお買い得なハリスになります。
最後に
クロムツの仕掛けを自作してみてはいかがでしょうか?作成方法はこちらへ
船釣りから堤防、砂浜などの陸っぱりまで、様々な釣りのタックルや仕掛け、仕掛けの作成方法を対象魚別に詳細なイラスト付きで紹介しています。