シロギスの船釣りでの基本的なタックル・仕掛けです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
シロギスは浅場に生息している為、船釣りでもあまり沖にでる事は無く、岸から近いポイントでの釣りがメインになります。
船釣りの中では比較的簡単に釣る事ができ、シロギスは大きさの割には引きが強い為、初心者でも十分に楽しめる釣りです。
釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でシロギスの紹介です。
シロギスってどんな魚
沿岸の浅い砂地のエリアに生息し、寿命は4~5年で、最大30cm程にまで成長する魚です。底付近にいる事が多く、夏場など、海水温が高い時期は浅場に来て、冬の寒い時期は深場へ移動します。シロギスの場合、深場と言っても水深30m程まで、それより水深がある場所には、ほとんどいません。
ゴカイやイソメ、甲殻類を捕食していますが、口が小さく、エサを吸い込むようにして食べるのが特徴です。その為、釣り針は小型のものや、シロギス専用針を使用します。
旬は春~夏で、天ぷらで有名なシロギスですが、大物は刺身でも食べる事ができます。
小さなシロギスの事を「ピンギス」とも言います。
リールの選び方
使用する道糸が100m以上巻ける スピニングリールを使用します。
リールには「ギア比」があり、数値が大きいとリールのハンドル1回転でラインを巻き取れる長さが長くなります。リールにパワーが必要な場合はギア比の小さいリールを、仕掛けを素早く回収し手返しよく釣りをする場合や、糸フケを素早く取りたい場合などはギア比の高いリールを使用します。
シロギス釣りの場合、ドラグを使った魚とのやりとりは行わないので、高性能ドラグなどの高価なリールは必要ありません。
オススメリールサイズは・・・
ダイワは2500~3000番
シマノは2500~3000番
※各メーカーでシャロースプールモデルなど、同じ型番でも糸巻量が違うものがあるので、購入の際は糸巻量を確認して下さい。
入門用オススメリール
価格を抑えた初心者向けスピニングリールで、PEラインとセットになったお得な機種になります。多くのスピニングリールのハンドルは、右巻き、左巻きのどちらにも自由に変えられる特徴があります。
中級クラス オススメリール
初心者向けリールより基本性能が高く、耐久性も上がっている為、少し高性能なリールが欲しい、長くリールを使用したい方などにも向いています。
高性能オススメリール
最高性能のスピニングリールです。性能重視の為、価格は高額になってしまいますが、ドラグ性能、ハンドルを回した時の滑らかさなど、様々な面でトップクラスの性能を誇っています。この釣りでは性能を持て余してしまいますが、このサイズは汎用性は高いです。
ロッドの選び方
シロギス用が最も扱いやすいですが、ブラックバス用(通称:バスロッド)でも代用可能です。
汎用の船釣りロッドの場合は、全長1.5~2.1m程で、7:3~8:2調子、使用するオモリが扱えるロッドを使用します。乗船人数が多い場合、長いロッドでは扱いにくいので1.7m以下をオススメします。
入門用オススメロッド
価格が抑えられた初心者向けで、この釣りに使用する事のできるロッドです。
中級クラス オススメロッド
初心者向けのロッドより基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。
高性能オススメロッド
高性能ロッドです。性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
道糸の選び方
道糸はPE0.8~1.5号を使用します。最低でも100m、ライントラブルを考慮して150mは巻いておくと安心です。
船釣りでの道糸は10mごとに色が変わり、1mごとにマーキングしてあるものが一般的に使用されていますが、このシロギス釣りは底を狙う為、マーキングを意識しないので、マーキング無しのルアー用のPEラインなどでも使用可能です。
オススメ道糸
とにかく安い道糸を使用したい方にオススメ
安い道糸を使用したいけど、激安な物では心配と言う方にオススメ
最強クラスの耐久性と強度を誇る、高性能PEライン
リーダーの選び方
PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダー(ショックリーダー)を使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。
船釣り用のハリス、又はルアー用のショックリーダー2~5号(8~20lb)を1~1.5mの長さで使用します。
素材について、主にナイロン、フロロカーボンの2種類があり、以下のような特徴があります。
ナイロンリーダーの特徴
- 価格が安い
- 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
- 扱いやすい
- 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
- 感度は劣る
フロロカーボンリーダーの特徴
- 根ズレに強い
- 透明度が高い
- 伸縮性はナイロンより少ない
- 糸グセが付きやすい為、扱いにくい
底を引きずるこの釣りでは、根ズレに強いフロロカーボン製のリーダーがオススメです。
通常の船用ハリスは100m前後で販売されているものが多いですが、こちらは200mでお買い得なハリスになります。
道糸とリーダーを結ぶ場合、基本的な電車結びでOKですが、ルアーフィッシングでよく使われる「FGノット」が結び目が細くなるのでオススメです。
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編
仕掛け
片テンビン、オモリ、幹糸、ハリス、針を使用した仕掛けです。初めてシロギス釣りをする場合は完成品の仕掛けの使用をオススメします。
針を飲まれたり、沢山釣った仕掛けは傷んでしまう為、予備は多めに持って行きましょう。
乗船人数が多い場合など、混みあっている場合は、全長が短い仕掛け(60~80cm)が扱いやすくなります。
片テンビンについて
片テンビンはアーム長8~12cmのものを使用します。
オモリについて
オモリは15号をメインで使用している所が多いですが、時期や地域、船宿で決められている場合があるので、わからない時は事前に船宿に確認しましょう。
幹糸について
0.8~2号を使用します。
素材は根ズレに強いフロロカーボンを使用します。
ハリスについて
0.8~1.5号を使用します。
素材は根ズレに強いフロロカーボンを使用します。
低活性時はハリスを細くすると効果的で、幹糸と同じか幹糸より細いハリスを使用します。
針について
競技用キス針6~9号、流線針6~9号を使用します。
シロギス釣りで使用する針は、主に2種類あります。そして、シロギスは仕掛けを飲み込んでしまう事が多いので、予備の仕掛けは多めに持っていきましょう。
・競技用キス針
軽く水中でエサが自然な感じで漂い、吸い込み重視の針。慣れている人向け。
・流線針
競技用キス針より強度があり、エサが付けやすくバレにくい針。
便利グッズ
シロギスは針を飲まれる確率が他の魚より高く、口が小さい為、飲まれた針を外すのは一苦労です。針はずしがあると便利ですが、シロギスの口に合う小型の針はずしは淡水用もあり、海で使用するとすぐに錆びてしまいます。
そこで活躍するのが、チタン製の針はずし、がまかつのフィッシングスティックです。
チタンは「錆びにくい」と言われているステンレスより錆びに強い事が特徴の金属です。
フィッシングスティックは高級感があり、デザイン性にも優れています。
釣りのコツ
- シロギスは海底付近に生息している為、底をゆっくり引きずり探る
- 仕掛けを投げて広範囲を探る
- 群れで生息している為、釣れたりアタリがあった場所を狙う
- アタリがあったら、しっかりアワセる
注意点
- 仕掛けを投げる場合、乗合船では上投げ禁止
- 仕掛けを飲まれる事が多い為、予備の仕掛けは多めに準備する
周りが釣れているのに、自分だけが釣れない場合の確認ポイント
タナ(狙う水深)
タナを間違えていると釣れません。シロギスは海底付近にいる為、底を狙います。
誘い方
底を引きずって誘いをかけますが、スピードが速すぎると、なかなかエサに食いついてくれません。ゆっくり引きずって誘いをかける事が有効です。
エサ
エサはイソメ、ジャリメ、ゴカイを使用する事が多く、エサを切らずに針に付けてしまうと長すぎる為、なかなか針に掛からなくなります。シロギスが高活性時は針の長さより少し長め、低活性時は2~3cm位に切って、針を隠すようにエサを付けます。
針の大きさ
シロギスは口が小さい為、シロギスのサイズに対して大きすぎる針を使用していると、なかなか針に掛からなくなります。
仕掛けがテンビンと絡まる頻度が高い
テンビンなどの種類によっては、仕掛けが絡まりやすいものがあり、絡まった仕掛けではシロギスを釣る事は難しくなってしまいます。
対策は仕掛けを投げる場合、円を描くように遠心力を使って投げます。慣れていないと少々難しいかもしれませんが、絡まる確率を減らす事ができます。
真下に仕掛けを落としても、仕掛けが絡まる確率を減らす事ができます。
胴突仕掛け
シロギス釣りの仕掛けには、片テンビンを使用しない胴突仕掛けもあります。特徴は仕掛けの絡みが少なく、アタリをダイレクトに取れる為、アワセを入れやすい事です。