ヒイカエギングの基本的なタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
ヒイカは手のひらサイズの小型のイカで、都心から近い港でも狙う事ができる身近なターゲットです。釣り方は「エギ」という疑似餌を使用したエギングや、活きエビを使用したウキ釣りで釣る事ができます。
夜釣りがメインになり、シーズンにもなると人気のあるポイントではヒイカ狙いの釣り人で賑わっている場所もあります。
イカ釣りの中では比較的簡単に釣る事ができますが、腕や経験で釣果に大きく差が出てしまう釣りでもあります。
釣果を伸ばす為には、相手を知る事が大事です。と言う事でヒイカの紹介です。
ヒイカってどんなイカ?
正式和名を「ジンドウイカ」と言い、胴体部が12cm程にまで成長する小型のイカです。
水深の浅い穏やかな砂泥底の内湾に生息し、甲殻類、プランクトン、小魚を捕食していて、10mより浅い場所で春~夏に産卵し、寿命は1年と言われています。
日中は中層より深い場所にいますが、夜になると水面付近までやってきて、数匹~数十匹ほどの小さな群れで泳いでいる姿も確認できます。
光に集まる習性があり、常夜灯の灯りに集まっていたり、投光器を使用し、ヒイカを集める事もできます。
釣れる時期
地域によりベストシーズンに差があり、代表的な地域では、東京湾周辺、北九州などがあります。
東京湾周辺は11~12月
北九州は7~8月
年により当たりハズレが大きく、エギを投げればすぐに釣れてしまう年もあれば、ほとんで釣れない年もあることが特徴です。
釣れる時間帯
夕まづめから活性が上がり、夜がメインになります。
リールの選び方
使用するラインが100m以上巻けるスピニングリールを使用します。
リールには「ギア比」があり、数値が大きいとリールのハンドル1回転でラインを巻き取れる長さが長くなります。リールにパワーが必要な場合はギア比の小さいリールを、エギを素早く回収し手返しよく釣りをする場合や、糸フケを素早く取りたい場合などはギア比の高いリールを使用します。
エギングは、ギア比の高いリールの方が利点が多い為、オススメです。
PEラインとナイロン、フロロカーボンのラインでは太さが違い、リールのサイズも使用するラインによって変わってきます。
PEライン使用のオススメリールサイズは・・・
ダイワは1000~2000番
シマノは500~2000番
ナイロン、フロロカーボンライン使用のオススメリールサイズは・・・
ダイワは2000~2500番
シマノは2000~2500番
※各メーカーでシャロースプールモデルなど、同じ型番でも糸巻量が違うものがあるので、購入の際は糸巻量を確認して下さい。
入門用オススメリール
価格を抑えた初心者向けリール。最近のリールは低価格でも、ひと昔前のものより性能が高くなっているものが多いです。
ステップアップ用オススメリール
性能も良いダイワ、シマノの中級機種。入門用に比べて性能は上がり頑丈になりますので、初心者でも長く使いたいと言う方にもオススメです。
高性能オススメリール
ダイワ、シマノの上位機種。高性能なものを使用したいならコレです。性能重視のリールになりますので、価格は高めです。お財布と相談が必要になってしまいます・・・
ロッドの選び方
ヒイカ専用ロッド、ライトエギングロッドが扱いやすいですが、アジングロッド、メバリングロッドでも代用可能です。
アジングロッドやメバリングロッドを使用する場合、エギの重量は1.5号で約4g前後、2号で9g前後なので、使用できるルアーの最大重量が10~14g程のロッドがオススメです。
入門用オススメロッド
価格を抑えた初心者向け
ヒイカ専用ロッド
数は少ないですが、ヒイカ専用ロッドも販売されています。
ラインの選び方
PEラインは0.3~0.4号を使用します。
ナイロンやフロロカーボンラインは3~4lb(0.8~1号)を使用します。
長さは、エギが軽くあまり遠投ができない為、ライントラブルを考慮して100mもリールに巻いておけば安心して使用できます。
素材については主にナイロン、フロロカーボン、PEラインの3種類ありますが、それぞれ以下のような特徴があります。
ナイロンラインの特徴
利点は価格が安く糸グセはフロロカーボン製より付きにくい為、扱いやすく初心者向け。
欠点は伸縮性がある為、感度は一番劣ります。
フロロカーボンラインの特徴
利点は根ズレに強く、透明度が高い事です。
欠点は糸グセが付きやすい為、扱いにくい事です。
PEラインの特徴
利点は糸グセが無くルアーの飛距離が出せ、伸縮性がほぼ無い為、感度が良い事です。
欠点は価格が高く、根ズレに弱い事です。
リーダーの選び方
PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダーを使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。
2~5lb(0.5~1.2号)を50cm~1mの長さで使用します。
PEラインを使用したエギングではPEラインとリーダーを結ぶ事が必要不可欠です。色々な種類の結び方がありますが、ヒイカエギングでは簡単なトリプルエイトノットがオススメです。
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編
エギの選び方
使用するエギのサイズは1.3~1.8号です。
夜、ヒイカは水深が浅い場所にも平気で泳いできます。水深が浅いポイントを狙う場合は、できるだけ沈下速度の遅いエギを使用すると根がかりのリスクが減り、釣りやすくなります。
そして、同じエギの号数でもいくつかの重さのエギが存在します。
エギメーカー大手のヤマシタのエギを参考にすると・・・
ナオリーRH 1.5号でも3種類存在します。
- シャロー 重量:3.0g 沈下速度:15~18秒/m
- ベーシック 重量:3.5g 沈下速度:5.0~5.5秒/m
- ディープ 重量:6.0g 沈下速度:2.5~3.0秒/m
この様に、同じ大きさの1.5号でも、重量と沈下速度に大きな違いがあります。水深が1mも無い場所で、ディープタイプを使用すると、根がかりのリスクが増え、扱いづらいです。
水深が浅い場所や、ヒイカの姿を見る事ができる場合は、シャロータイプのエギがオススメです。
スナップについて
スナップを使用する事で、エギの交換が簡単にできるようになります。しかし、エギが小さい為、シーバス用などの大きなスナップを使用してしまうと、スナップの重さでエギのバランスが崩れてしまう可能性もあります。
ヒイカエギングでは、できるだけ小さく軽いスナップが向いている為、メバリング用などの小型スナップやエイトスナップを使用します。
便利グッズ
投光器
ヒイカは光に集まる習性があり、港に設置されている常夜灯の下は良く釣れる為、人気があり、場所を確保する事が難しいと思います。
灯りの無いところに灯りを作ればいいのですが、手持ちのLEDライトでは光が弱い・・・。かと言って、発電機と投光器を準備するとなると、設備が大掛かりなものになり、お金も掛かってしまいます。
そんな時に活躍するのが充電式LED投光器です。
投光器の光は広範囲に広がるものが多く、海面を広く照らす事ができます。そして、最近のLED投光器は、小型化、薄型化、軽量化され、防水タイプもあり使い勝手は上がっています。
光量を選択できるものもありますが、1回の充電で一晩持たさせるのは困難です。(光量を弱くすれば持つものもありますが、ヒイカは強い光量の方が寄ってきます)
充電式の他に電池式もあり、釣りのスタイルに合わせて充電式と電池式を使い分ける事をオススメします。
2~3時間と、短時間の釣りを楽しみたい場合は充電式
長時間夜釣りを楽しみたい場合は電池式を使用し、予備の電池も準備します。
釣りのコツ
- ヒイカが見える時は水面付近、見えない場合は水面~底まで広く探る
- エギのアクションは小さめでOK
- フォール中(エギが沈んでいる状態)は常にラインを張る
- アワセはしっかり行う
注意点
- エギにはカエシが無い為、イカが乗っている(針に掛かっている)状態ではラインをたるませない
- エギやライン、リーダーに墨が付いていたら、ブラシ等でキレイに取る
釣れない場合の確認ポイント
釣り場
ヒイカがいないのにエギを投げたって釣れません。水深の浅い穏やかな砂泥底の内湾がポイントになります。
初めて行く場所などでは、事前に地元の釣具屋などで情報収集をしましょう。
狙う水深
ヒイカの姿が見えない場合は水面~底まで広範囲に探りますが、低活性時などは中層~底付近にいる事が多いです。
エギ
イカは沈下速度の遅いエギの方が釣りやすいです。浅いポイントでは、その傾向が特に強い為、沈下速度の遅いエギがオススメです。
カラーについては、他のイカに比べ、そこまで大きく影響はありませんが、同じエギを使い続けているより、いくつかのエギをローテーションした方が釣果は上がります。
エギのアクション
アオリイカのエギングのような派手はアクションは必要ありません。
竿先で「ちょん」と動かしてアタリを待ち、「ちょん」と動かしてアタリを待つの繰り返しです。動かす時のイメージは、エギが数センチメートルだけ素早く動く感じです。
アワセのタイミング
ヒイカは小さい為、ヒイカがエギを触っている状態でも、感じ取る事ができない場合もあります。しかし、ヒイカが見える所を泳いでいる場合はチャンスです。エギを常に目視で確認し、手元に何も感じなくても、エギが横や沖の方向に動き出した時がアワセのタイミングです。
フィッシュイーターの存在
夜釣りでは、投光器を使用する事でヒイカを集める事ができますが、同時にヒイカを捕食するシーバスやタチウオなどのフィッシュイーターも集まってくる可能性があります。
フィッシュイーターが近くにいると、光に集まったヒイカは散ってしまいます。
フィッシュイーターの姿が見えた場合は、投光器を一時的に消す、又は投光器を使用しない方がいい場合もあります。
最後に
その他の釣りも色々紹介していますので、興味がある方はサイトマップもご覧ください。