ひとつテンヤの基本的なタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
ひとつテンヤはシンプルなタックル・仕掛けで、主にマダイを狙う釣り方です。マダイ以外にも、イナダやワラサなどの青物や、マハタ、カサゴ、メバル、ソイなどの根魚、ヒラメ、マゴチ、ハナダイなど様々な魚を釣る事ができるのが特徴の釣りです。
専用ロッドも各メーカーから販売され、仕掛けも 色・形・重さ・素材など数多くの種類が存在し、状況に合わせて仕掛けを替える為、ルアーフィッシングに近い感覚の釣りです。
色々な種類の魚が釣れ、意外な高級魚も釣れるひとつテンヤですが、最大のターゲットはマダイです。マダイを釣る為には、まず相手を知る事が大事です。と言う事でマダイの紹介です。
マダイってどんな魚?
最大で120cm程にまで成長し、北海道~九州まで幅広く分布しています。
成魚は水深30~200mの岩礁域、砂礫底の底付近に生息し、産卵期になると浅い岩礁域にやってきます。産卵期は地域によって異なり、九州南部では1月下旬~4月、青森は5月下旬~6月上旬で北に行くほど遅くなります。
肉食性で、小魚、甲殻類、貝類など幅広く捕食する為、ルアー釣りでの好ターゲットの魚です。
群れを作らず単独で行動する為、数釣りを狙うのが難しい魚でもあります。
旬は春と言われる事が多いですが、産卵後の3~4カ月を除けば美味しく頂く事ができ、頭や骨やヒレが硬く怪我しやすいので、さばくのが難しい魚とも言われています。
リールの選び方
使用する道糸が150m以上巻けるスピニングリールを使用します。
ベイトリールや両軸リールを使用したタックルもありますが、初心者や慣れていない人はスピニングタックルの使用をオススメします。
細い道糸を使用し、大きなマダイやパワーのある青物が相手になる為、高性能ドラグが必要になります。ドラグの性能が低い安物のリールやメンテナンスをしていなく、ドラグ性能が落ちているリールなどは不意の大物に対応できない為、オススメできません。
オススメリールサイズは・・・
ダイワは2500~3000番
シマノは2500~3000番
各メーカーでシャロースプールモデルなど、同じ型番でも糸巻量が違うものがあるので、購入の際は糸巻量を確認して下さい。
入門用オススメリール
価格が抑えられた釣り具大手メーカー(ダイワ)のこの釣りに向いているスピニングリールです。大物とのやり取りを考慮して、ある程度の強度が必要になります。
多くのスピニングリールのハンドルは、右巻き、左巻きのどちらにも自由に変えられる特徴があります。
中級クラス オススメリール
初心者向けリールより基本性能が高く、耐久性も上がっている為、少し高性能なリールが欲しい、長くリールを使用したい方などにも向いています。
高性能オススメリール
最高性能のスピニングリールです。性能重視の為、価格は高額になってしまいますが、ドラグ性能、ハンドルを回した時の滑らかさなど、様々な面でトップクラスの性能を誇っています。
ロッドの選び方
専用のひとつテンヤロッドが最も扱いやすいですが、陸っぱりで使用するシーバス、メバル、アジのルアーロッド、エギングロッドでも代用可能です。
専用ロッド以外の場合は、全長2.1~2.7m(7~9フィート)で、8:2~7:3調子のスピニングロッドを使用します。
アワセた際にしっかりフッキングでき、大物とのやり取りが見込まれる為、バットパワーのあるロッドがオススメです。そして、小さなアタリも感じ取れる感度の高さも重要です。
そして、ロッドには使用できるテンヤの号数、アクションが記載されています。アクションはロッドの硬さで、主に使われている表記は以下のようになります。
L(ライト)
ML(ミディアムライト)
M(ミディアム)
MH(ミディアムヘビー)
H(ヘビー)
L(ライト)は柔らかめ、ML(ミディアムライト)→M(ミディアム)→MH(ミディアムヘビー)→H(ヘビー)と徐々に硬くなります。
使用できるテンヤの号数とアクションは関係性があり、一般的なロッドではアクションがL(ライト)などの柔らかいロッドは、軽いテンヤは扱いやすいけれど、重いテンヤは扱いにくくなります。H(ヘビー)などの硬いロッドは、重いテンヤを使用できるようになりますが、軽いテンヤは扱いにくくなります。
入門用オススメロッド
価格が抑えられた初心者向けのひとつテンヤ専用ロッド。
中級クラス オススメロッド
初心者向けのロッドより基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。
高性能オススメロッド
性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
道糸の選び方
道糸は主にPE0.6~1.0号を使用し、大物が多い場合はPE1.0~1.2号を使用します。狙う水深は数十m程ですが、青物が掛かると一気に走られてしまう可能性が高い為、長さは最低でも150mは必要になります。
正確に魚のいる水深を狙う為、道糸は10mごとに色が変わり1mごとにマーキングしてあるものを使用します。カウンター付きのリールの場合も多少のズレは発生してしまいますので、10mごとに色が変わり1mごとにマーキングしてある道糸を使用します。
道糸の結び方はこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインと金具編
オススメ道糸
とにかく安い道糸を使用したい方にオススメ
安い道糸を使用したいけど、激安な物では心配と言う方にオススメ
最強クラスの耐久性と強度を誇る、高性能PEライン
リーダーの選び方
PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダー(ショックリーダー)を使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。
リーダーは主に2~3号(8~12lb)を、大物が多い場合は3~4号(12~16lb)を3~6m使用します。
素材については主にナイロン、フロロカーボンの2種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。
ナイロンリーダーの特徴
- 価格が安い
- 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
- 扱いやすい
- 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
- 感度は劣る
フロロカーボンリーダーの特徴
- 根ズレに強い
- 透明度が高い
- 伸縮性はナイロンより少ない
- 糸グセが付きやすい為、扱いにくい
リーダーの結び方
PEラインを使用した釣りではPEラインとリーダーを結ぶ事が必要不可欠です。色々な種類の結び方がありますが、この釣りではFGノットがオススメです。
FGノットの結び方はこちらへ
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仕掛け
仕掛けは「テンヤ」と「カブラ」の2種類あります。更に、テンヤやカブラは「固定式」と「遊動式」に分かれます。
通常、重さは2~15号を使用しますが、地域や時期などで更に重い仕掛けを使用する場合がある為、事前に船宿に確認が必要です。
根があるポイントを狙う事がある為、根掛かりは付き物です。予備の仕掛けは多めに持って行きましょう。
テンヤについて
テンヤはユラユラ落ちる事が特徴です。
その為、フォール中(落ちていく途中)に魚にアピールする事ができ、フォールで魚を掛ける使い方に向いています。スローフォール傾向になる為、潮の影響を受けやすく、流れが速い場所では扱いにくい場合もあります。
カブラについて
カブラはストレートに速く落ちる事が特徴です。
潮の影響を受けにくく底取りが簡単にでき、手返しが良い仕掛けです。
※メーカーにより、テンヤもカブラのようにストレートに落ちるものがあります。
固定式・遊動式の違い
固定式と遊動式の最大の違いは、オモリが固定されているか、されていないかの違いです。
固定式は、絡みが少なく、根掛かりしにくい特徴があります。最近では、エサのエビを固定できるものも販売されています。
遊動式はエサを自然に見せる事ができ、魚に違和感を与えにくく、高感度で、魚を掛けた時にバレにくい特徴がありますが、リーダーに絡みやすい欠点もあります。
エサの付け方
冷凍エビ、活きエビ共に最初にエビの尾を取ります。ハサミなどは使用せず、手でちぎってもOKです。イラストのように、まっすぐテンヤかカブラに付けたら完成です。
オススメ仕掛け
一つで、テンヤにもカブラにもなる仕掛けがあります。ダイワの紅牙 遊動テンヤと言う仕掛けです。
リーダーの通す場所次第で、テンヤ・カブラのどちらにもなる面白い仕掛けです。
比重の重いタングステン製です。同じ号数でも通常のテンヤより小さい為、潮の影響を受けにくく感度が高い事が特徴です。
釣り方
最初に、大物が掛かっても対応できるように、リールのドラグを調整します。慣れている人は すぐできると思いますが、初心者の人は船長にお願いしましょう。
ポイントに到着し、船長から釣り開始の合図があったら、仕掛けを底まで沈めます。底まで沈める事を「底取り」や「底を取る」と言いますが、これがすごく重要です。
底取り後は、船長から指示があればその水深まで、無ければ底付近を探ります。探り方は、ロッドをシャクリ誘いをかけ、仕掛けを沈めるの繰り返しです。
テンヤの場合はフォール中によくアタリがあるので、少しでも違和感を感じたら、すぐにアワセを入れます。
大きな魚が掛かると、道糸が細い為、ドラグを使用したやり取りになります。時には数十分のやり取りになりますので、オマツリ防止の為、魚が掛かっている以外の人は一度仕掛けを上げてしまいましょう。
仕掛けを回収した際は、毎回エサのエビの状態を確認します。ズレて曲がっていたりすると、魚に違和感を与えてしまう為、頭の良いマダイなどは釣れなくなってしまいます。