モンゴウイカエギングの基本的なタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)
モンゴウイカはコウイカの仲間で、胴体部に硬い「甲」を持っているのが特徴です。
肉食性で小魚を捕食している為、疑似餌を使用した釣り方で狙う事ができ、「エギ」という疑似餌を使用したゲーム性の高いエギングや、「スッテ」と言う疑似餌を使用した釣り方があります。
今回はエギングの紹介です。モンゴウイカエギングは、あまりアクションの必要がなく、海底をゆっくり引きずっているだけでも釣れる為、初心者でも狙う事ができるターゲットです。
釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でモンゴウイカの紹介です。
モンゴウイカってどんなイカ?
胴体部の長さが40cm程にまで成長し、コウイカの仲間で硬い甲が胴体部にある事が特徴です。
正式和名を「カミナリイカ」と言い、胴体部にカミナリ模様がある事がカミナリイカの名前の由来の一つと言われています。
甲殻類や小魚を襲い捕食し、水深15~100mより浅い障害物の少ない砂泥の底付近に生息し、寿命は1年と言われ、目が良い事も特徴です。
産卵期は3~5月で、浅場の海藻や沈んでいる木などに産卵します。初夏に孵化したモンゴウイカは浅場ですごし、冬になると深場へ移動します。そして、春になると成長したモンゴウイカは産卵の為、再び浅場へ移動してきます。
釣れる時期
アオリイカに比べ深い場所に生息している為、浅場に移動してきた時期を狙います。
狙える時期は4~11月です。
夏~秋はサイズは小さいですが、釣りやすく数が狙えます。
春では、数はあまり狙う事は難しいですが、サイズが大きい事が特徴です。
水深がある堤防などでは、真冬でも狙う事はできます。
時間帯について
特に夕まづめ以降に活性が上がり狙い目です。
大雨などで濁りが多い状況では釣る事は難しくなります。
そして、大潮の日が釣れる確率が高くなります。
リールの選び方
使用するラインが150m以上巻けるスピニングリールを使用します。
リールには「ギア比」があり、数値が大きいとリールのハンドル1回転でラインを巻き取れる長さが長くなります。リールにパワーが必要な場合はギア比の小さいリールを、エギを素早く回収し手返しよく釣りをする場合や、糸フケを素早く取りたい場合などはギア比の高いリールを使用します。
エギングは、ギア比の高いリールの方が利点が多い為、オススメです。
エギング用リールでは、ダブルハンドルのリールもあります。ダブルハンドルの利点は、バランスが良く手返し重視、多くのリールで使用されているシングルハンドルの利点は、ダブルハンドルのリールより軽い事です。
オススメリールサイズは・・・
ダイワは2500~3000番
シマノは2500~3000番
※各メーカーでシャロースプールモデルなど、同じ型番でも糸巻量が違うものがあるので、購入の際は糸巻量を確認して下さい。
入門用オススメリール
価格が抑えられた釣り具大手メーカー(ダイワ)のこの釣りに向いているスピニングリールで、ラインとセットになったお得な機種になります。多くのスピニングリールのハンドルは、右巻き、左巻きのどちらにも自由に変えられる特徴があります。
中級クラス オススメリール
エギング専用リール。初心者向けリールより基本性能が高く、耐久性も上がっている為、少し高性能なリールが欲しい、長くリールを使用したい方などにも向いています。(メーカーの説明ではエギング用と記載されていますが、他の釣りでも使用可能です)
高性能オススメリール
最高性能のスピニングリールです。性能重視の為、価格は高額になってしまいますが、ドラグ性能、ハンドルを回した時の滑らかさなど、様々な面でトップクラスの性能を誇っています。
ロッドの選び方
エギングロッドが最も扱いやすいですが、汎用ルアーロッド、シーバスロッド、バスロッドでも代用可能です。エギングロッド以外を使用する場合は、長さ6~9フィート(1.8~2.7m)でアクションがML~Mのものを使用します。
ルアーロッドの場合、長さはft(フィート)とinch(インチ)で表す事が多く、以下のような計算方法になります。
- 1ft=30.48cm
- 1inch=2.54cm
- 1ft=12inch
- 例 9.6ft=(30.48×9)+(2.54×6)=289.56cm
- 例 7.11ft=(30.48×7)+(2.54×11)=241.3cm
そして、ロッドには使用できるエギの号数や重量、アクションが記載されています。アクションはロッドの硬さで、エギングロッドで主に使われている表記は以下のようになります。
- UL(ウルトラライト)
- L(ライト)
- ML(ミディアムライト)
- M(ミディアム)
- MH(ミディアムヘビー)
- H(ヘビー)
UL(ウルトラライト)は柔らかめ、L(ライト)→ML(ミディアムライト)→M(ミディアム)→MH(ミディアムヘビー)→H(ヘビー)と徐々に硬くなります。
使用できるエギの重量とアクションは関係性があり、一般的なロッドではアクションがUL(ウルトラライト)などの柔らかいロッドは、軽いエギは扱いやすいけれど、重いエギは投げる事すら困難です。H(ヘビー)などの硬いロッドは、重いエギを使用できるようになりますが、軽いエギは扱いにくくなります。
入門用オススメロッド
価格が抑えられた初心者向けのエギングロッドです。
中級クラス オススメロッド
基本性能が高く、しなやかさ、感度などが上がっている為、扱いやすくなっています。
高性能オススメロッド
性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドになっています。
ラインの選び方
PEラインの0.8~1.0号を使用します。
長さは100mあれば使用できますが、ライントラブルを考慮して150mはリールに巻いておくと安心して使用できます。
素材については主にナイロン、フロロカーボン、PEラインの3種類ありますが、感度が重要なエギングでは感度に優れたPEラインを使用します。
ラインには、それぞれ以下のような特徴があります。
ナイロンラインの特徴
- 価格が安い
- 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
- 扱いやすい
- 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
- 感度は劣る
フロロカーボンラインの特徴
- 根ズレや擦れに強い
- 透明度が高い
- 伸縮性はナイロンより少ない
- 糸グセが付きやすい為、扱いにくい
PEラインの特徴
- 糸グセは、ほぼ無し
- エギの飛距離を出せる
- 伸縮性は、ほぼ無し
- ラインの中で一番高感度
- 価格が高い
- 根ズレに弱い
- 熱に弱い(結ぶ時の摩擦熱に注意が必要。摩擦熱を発生させないようにゆっくり結ぶ)
オススメPEライン
とにかく安いPEラインを使用したい方にオススメ
安いPEラインを使用したいけど、激安な物では心配と言う方にオススメ
エギング用高性能PEライン
リーダーの選び方
PEラインを使用する場合は、ナイロンかフロロカーボン製のリーダー(ショックリーダー)を使用します。PEラインは根ズレに弱く、透明なものがありません。この弱点を補う為にリーダーが必要になります。
6~12lb(1.5~2.5号)を1.5~2mの長さで使用します。
素材については主にナイロン、フロロカーボンの2種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。
ナイロンリーダーの特徴
- 価格が安い
- 糸グセはフロロカーボン製より付きにくい
- 扱いやすい
- 伸縮性がある為、衝撃を吸収できる
- 感度は劣る
フロロカーボンリーダーの特徴
- 根ズレや擦れに強い
- 透明度が高い
- 伸縮性はナイロンより少ない
- 糸グセが付きやすい為、扱いにくい
イカは目が良い為、透明度の高いフロロカーボン製のリーダーをオススメします。
リーダーの結び方
PEラインを使用したエギングではPEラインとリーダーを結ぶ事が必要不可欠です。色々な種類の結び方がありますが、この釣りではFGノットがオススメです。
FGノットの結び方はこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインとライン編
金具との結び方はこちらへ
これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインと金具編
エギの選び方
主に2.5~3.5号のエギを使用し、サイズやカラーは状況に合わせて替えていきます。
エギの中には音が出るラトル入りのタイプもあります。
サイズについて
夏~秋のイカのサイズが小さい時は 2.5~3.0号
春のイカのサイズが大きい時は 3.0~3.5号
カラーについて
晴れ、潮が澄んでいる時は ブルー・グリーン・パープル
曇りや雨、朝夕、潮が濁っている時は オレンジ・ピンク
夜は 夜光・オレンジ・ピンク
スナップについて
エギングでは、状況に合わせたエギの交換が必要になります。スナップを使用する事でリーダーやラインを切らずにエギの交換が簡単にできるようになり、スナップにオモリを付ける事もできるようになります。
エギングに特化した専用スナップもあります。
便利グッズ
投光器
イカは光に集まる習性があり、港に設置されている常夜灯の下は良いポインになる為、人気があり場所を確保する事が難しいと思います。
灯りの無いところに灯りを作ればいいのですが、手持ちのLEDライトでは光が弱い・・・。かと言って、発電機と投光器を準備するとなると、設備が大掛かりなものになり、お金も掛かってしまいます。
そんな時に活躍するのがバッテリー式LED投光器です。
投光器の光は広範囲に広がるものが多く、海面を広く照らす事ができます。そして、最近のLED投光器は、小型化、薄型化、軽量化され、防水タイプもあり使い勝手は上がっています。
現在、市販されている最強クラスの光量のバッテリー式投光器はこちら
イカ活チャ器
釣ったイカを美味しく頂くには、イカを絞めることが必要になります。ナイフで絞めることもできますが、慣れていないと少々難しいと思います。
ここで活躍するのが、イカ活チャ器です。使い方は簡単、イカ活チャ器で胴体とゲソの部分を剥離させるだけです。慣れていなくても数秒でイカを絞めることができます。
釣りのコツ
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- 底は確実にとる(エギを海底まで沈める)
- 底をとる → シャクる → イカの反応を待つ の繰り返し
- シャクる時はエギが海底を小さくジャンプしているイメージ
- 底をとる → ズル引き(2~3m) → イカの反応を待つ の繰り返しでもOK
- フォール中(エギが沈んでいる状態)は常にラインを張る
- アワセはしっかり行う
注意点
- エギにはカエシが無い為、イカが乗っている(針に掛かっている)状態ではラインをたるませない
- エギやリーダーに墨が付いていたら、ブラシ等でキレイに取る
釣れない場合の確認ポイント
釣り場
モンゴウイカがいないのにエギを投げたって釣れません。砂泥底や海藻が生えている場所がポイントになります。
初めて行く場所などでは、事前に地元の釣具屋などで情報収集をしましょう。
底をとれていない
底を取れていない(エギが海底まで沈められていない)と釣れる確率は大きく下がります。潮が速く、底を取れているかわかならい状況の場合、イラストのようにシンカー(オモリ)を付けると、底をとりやすくなります。モンゴウイカの場合は特に有効です。
エギ
時期や時間、状況に合わせたエギを使用する事が重要です。
エギの選び方参照にして下さい。
エギのアクション
アオリイカのエギングのような派手はアクションは必要ありません。アクションを入れる場合は、エギが海底を小さくジャンプしているイメージで動かします。
アワセ
アワセは、エギにイカを引っ掛ける為には必要です。方法はエギに違和感を感じたら、ロッドを上に大きく動かし、エギを瞬間的に強く引っ張ります。イカが掛かっても、すぐにバレて(針から外れ逃げられる)しまう場合は、アワセていないか、アワセの力が弱い可能性があります。
アワセていなくても、しばらくはイカが乗っている(針に掛かっている)ような感覚ですが、イカがエギに抱き着いているだけの状態なので、すぐにバレてしまいます。
イカの重みを十分に感じてからアワセてもOKです。
ライン
ラインは常に張っている状態でないと、アタリを取る事はできません。そして、イカのアタリは魚に比べ分かりにくいのが特徴です。イカが高活性時は一気にエギに抱きついてきますが、エギを腕で突っついているような状況もあります。手元に何も感じなくても、ラインに反応が出る場合もあるので、違和感を感じたらアワセてみましょう。
リーダー
リーダーが太すぎると、イカに警戒されてしまいます。目が良いイカが相手の場合は、透明度の高いフロロカーボンのリーダーがオススメです。