船釣りタックル紹介 キハダマグロ(コマセ釣り)編

 

キハダマグロのコマセ釣りでの基本的なタックルです。(イラストをクリックすると拡大して見る事ができます)

キハダマグロ釣りと言えば、今や相模湾の風物詩になりました。都心部から日帰りでマグロが狙えることもあって、シーズンの初夏~秋では、多くのキハダマグロ狙いの釣り船でにぎわっています。

キハダマグロ釣りの最大の魅力は、強烈な引きの強さです。数十kgあるキハダマグロの強烈な引きを経験して、この釣りにハマった人もいるかと思います。そして、この釣りではカツオもターゲットになります。

釣果を伸ばす為には相手を知る事が大事です。と言う事でキハダマグロの紹介です。

 

キハダマグロってどんな魚?

キハダマグロは名前の通り、体やヒレの色が黄色みがかっているのが特徴で、大きい個体では重量200kg、大きさ2mを超え、寿命は10年程です。

群れで表層~中層を遊泳し、木材などの漂着物やイルカに着く習性があります。

肉食性で魚類、甲殻類、頭足類を捕食しています。

動体視力が優れている為、ルアーで狙う場合は捕食している魚のサイズに合わせる事が必要になります。

マグロは泳ぐのを止めてしまうと死んでしまう。と言う事は知られていますが、理由は自分の意志でエラを動かす事ができない為、口を開けながら泳いで常にエラに海水を流していないと、エラから酸素を取り入れる事ができなくなり、酸欠で窒息死してしまいます。その代わりに、高速で泳げる体型で持久力もあり、瞬間的に時速90km程で泳ぐ個体もいます。

寒い時期になり脂が乗ると同時にパワーも増します。食べるとクロマグロに比べて脂が少なくあっさりした感じで、ツナ缶の原料にもなっています。

約60cm以下の小型のキハダマグロは「キメジ」と呼ばれ、カツオと混ざり一緒に釣れる事があります。

相模湾では重量40kg以下のサイズがメインになります。(時には70kgを超える大物も釣れます)

 

リールの選び方

使用する道糸が300m以上巻ける 電動リール 又は 両軸リールを使用します。

リールはハイパワーな電動リールがオススメです。手巻き両軸リールの場合、30kgオーバーのキハダマグロがヒットしたら100m以上走られてしまう可能性もあるので、その長さを手巻きで巻いてくるのは、かなりしんどいと思います。(体力に自信があれば別ですが)

オススメ電動リールサイズは・・・

ダイワは600~800番

シマノは4000~6000番

 

入門用オススメ電動リール

キハダマグロの強烈な引きにも負けないパワーのある電動リールが必要になります。

 

オススメ高性能電動リール

この釣りに向いている最高性能の電動リールです。性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グレードの低いリールには無い機能や、パワー、スピードなど様々な面でトップクラスの性能を誇っています。

 

バッテリーについて

電動リールを使用する為にはバッテリーが必要になります。バッテリーの種類で電動リールのパワーやスピードが上がる事はご存じでしょうか?

電動リールの性能UP!? リチウムイオンバッテリーとは?

 

オススメ手巻きリール

PE8号300m以上の巻糸量と、キハダマグロの強烈な引きにも負けないパワーのリールが必要になります。

 

ロッドの選び方

キハダマグロ専用ロッドが最も扱いやすいですが、大物ロッドや、青物ロッドなどでも代用可能です。

コマセを撒く事をメインにしている5:5などの胴調子より、7:3などの先調子が向いています。アワセはアタリがあったらすぐ強めに合わせます。その為、ロッドはバットパワーのあるもので、魚にしっかり針を掛ける事が重要になります。

アワセのタイミングが遅くなり、魚に走られてからアワセてしまうとバレやすくなってしまいます。

 

入門用オススメロッド

キハダマグロのコマセ釣りで使用する事ができるロッドです。

 

オススメ高性能ロッド

最高性能の大物用ロッドです。性能重視の為、価格は上がってしまいますが、グリップの形状にもこだわり、細かい所の作りもしっかりしている為、見た目も良いロッドです。

 

道糸の選び方

道糸はPEラインの8~10号を使用します。

あまり深いタナは狙いませんが、キハダマグロがヒットすると道糸が数10m、時には100m以上引き出されてしまいます。その為、最低でも長さは300mは必要になります。

 

道糸の結び方はこちらへ

これだけは覚えておきたいライン(釣り糸)の結び方 ラインと金具編

 

オススメ道糸

とにかく安い道糸を使用したい方にオススメ

 

最強クラスの耐久性と強度を誇る、高性能PEラインです。

 

仕掛け

キハダマグロのコマセ釣りの仕掛けは、コマセカゴ、テンビン、ハリス、針を使用したシンプルな仕掛けです。

コマセカゴについて

ビシ、カゴ+オモリ 又は ステン缶の80~120号を使用します。コマセカゴは真鯛や青物等のコマセ釣りで使用するものと同じです。

ビシ、カゴ、ステン缶のどれを購入するかで悩んでいたら、プラスチック製のビシをオススメします。コマセの放出量を調整でき、汎用性が高く使用できる釣りの種類が多い為です。

 

ビシとカゴの違いはこちらへ

船釣りで使う「ビシ」と「カゴ」は何が違うの?

 

テンビンについて

キハダマグロ用を使用します。片テンビン、遊動式テンビンのどちらでも使用できます。

テンビンとビシが一体となった、マグロ専用のテンビンも存在します。
ハリスについて

大物釣り用ハリス20~30号を使用します。

 

針について

キハダマグロ専用針を使用します。

 

針やハリスについてはこちらで詳しく紹介しています。

キハダマグロの仕掛けを自作しよう

 

便利グッズ

コマセ釣りでは、別にサシ餌を準備したり、コマセの中から形の良いオキアミを選別してサシ餌として使用します。気温が上がってくると、別に準備したサシ餌や選別して取り分けておいたサシ餌が時間と共に傷んでしまい、真夏などは黒く変色してしまう事もあります。傷んだサシ餌では針持ちも悪く、すぐ針から外れてしまったり、魚の食いも悪くなります。

このような状況で活躍するのが、断熱性の高いエサ箱、シマノのサーモベイト ステンです。

このエサ箱は外部の素材がABS樹脂、内部の素材がステンレスでできていて、ABS樹脂とステンレスの間に空気層があり、外部の温度が直接内部まで伝わらない為、中のサシ餌が長持ちします。中に保冷剤を入れて使用すると更に効果的です。

 

釣りのコツ

  • 狙うタナ(水深)は中層メイン
  • 指示されたタナから、ハリスの長さ分深く沈め、ロッドをシャクリ上げながら指示されたタナに合わせる
  • ドラグはしっかり合わせる(自信が無かったら船長にお願いしましょう)
  • コマセの放出量を調整できるコマセカゴは全開にする
  • コマセを補給する場合、できるだけ隣の人と同じタイミングで巻き上げないようにする
  • 反応があったら強めにアワセる
  • 針に掛かったら、ある程度走らせて(泳がせて)からやり取りをする
  • 特大サイズのオキアミを準備する

 

注意点

  • アワセが遅いとバレやすくなる
  • ハリスを持って魚を手繰り寄せる時、怪我をしないように注意
  • 釣り上げた時、船の上で暴れている時はむやみに近寄らない
  • 水深50mより浅いエリアはサメに注意
  • サメにかじられたマグロを持って帰る場合は、サメの口に触れた部分は切り落とす(サメの口には雑菌が多い為)

 

周りが釣れているのに、自分だけが釣れない場合の確認ポイント

タナ(狙う水深)

タナが間違えていると、ほとんど釣れません。船長からの指示通りにタナを合わせる事が大事です。それと、電動リールのカウンターがズレている場合があるので、ズレを感じたらラインの色を見てタナを合わせましょう。

 

コマセカゴ

コマセの放出量が調整できるコマセカゴの場合、コマセカゴを全開(コマセが最大限に出ていく状態)にする事が必要です。それと、全開にしてもコマセが詰まっていたら釣れません。コマセカゴにコマセを入れる時は、欲張って押し込みすぎると詰まりやすくなってしまう為、注意が必要です。

コマセカゴは全開の状態なので、コマセはすぐに無くなります。無くなった状態では釣る事は難しいので、自分のコマセがどの位の時間で無くなるか把握して、コマセが無い状態にしないようにしましょう。

 

ハリス

ハリスが長すぎたり、短すぎると釣れません。船長の指示通りの長さに合わせましょう。

 

餌の付け方

餌のオキアミは、適当に付けてしまうと仕掛けを沈めている途中で針から外れてしまう場合があります。餌の付け方は「丸掛け」が簡単で餌持ちも良いです。

 

最後に

カツオのタックル・仕掛けはこちらへ

船釣りタックル紹介 カツオ(コマセ)編

 

仕掛けの作り方はこちらへ

船釣りの仕掛けを自作しよう キハダマグロ(コマセ釣り)編

 

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船釣りタックル紹介 キハダマグロ(フカセ釣り)編

 

船釣りから堤防、砂浜などの陸っぱりまで、様々な釣りのタックルや仕掛け、仕掛けの作成方法を対象魚別に詳細なイラスト付きで紹介しています。

タックル・仕掛け一覧